文章の副業でAIを1つ契約しようとして、料金のページで迷子になる。ChatGPTは円の税込、Claudeは税別のドル、Geminiは保存容量と組になったプランで、同じ物差しで並びません。
1年払い続けたら、3つの間にどれほどの開きが出るのか。クライアントの原稿を貼ったら、その文章はAIの学習に回されるのか。契約の前に、どちらの答えも手元に置いておきたいところです。最初に、1年分の支払いをそろえた表で、3つの料金を比べてみましょう。
比較の前提
- 各社の公式サイトに載っている料金と、プライバシー・データの扱いの説明だけをもとにしています。書かれる文章の質や日本語の自然さは確かめていないので、優劣は書いていません
- 広告として載せているサービスがあります。順位はつけていません
3つのツールを1年続けたときの料金
個人向けで比べられることの多い有料プランを、1年続けた金額にそろえました。
| ツール・プラン | 表示されている料金 | 1年分 | 支払いの形 |
|---|---|---|---|
| ChatGPT Plus | 月3,000円(消費税込み) | 36,000円 | 円の月払い。年払いの表示はなし |
| Claude Pro | 月払い20ドル、年払い200ドル | 月払いは240ドル(約36,000円)、年払いは200ドル(約30,000円) | ドルで、税は別。年払いは1年分を最初に払う |
| Gemini(Google AI Pro) | 月2,900円 | 34,800円 | 円の月払い。5TBの保存容量つき |
| Gemini(Google AI Plus) | 月725円 | 8,700円 | 円の月払い。400GBの保存容量つき |
料金は2026年10月20日に各社の公式サイトで確認。ChatGPTには、月1,400円(税込)で広告が表示される場合がある「Go」プランもあります。Claudeの料金ページには、表示の価格に税は含まれないとあります。Claudeの円の金額は1ドル150円と仮定した計算で、実際の支払い額は為替と税で変わります。Geminiのプランのページからは、税の扱いと、725円が期間を限った料金かどうかを読み取れませんでした。

Claudeの年払いは、月払いを12か月続けるより40ドル少なく、月にならすと17ドルです。そのかわり200ドルを最初にまとめて払うので、続けるか決まっていないうちは月払いにしておけば、合わなかったときに払いすぎるのは1か月分で済みます。ドルで払う分は、カードの明細に出る円の額が月ごとに変わる点も、ほかの2つと違います。
Geminiの有料プランは、AIを使える量の上限と一緒に、Googleアカウントの保存容量が増える組み合わせです。Google AI Plusは月725円で、無料版の2倍の上限と案内されています。すでに保存容量を買い足している人なら、いま払っている額との差で考えられます。
さらに上のプランで増える量と値段
3つとも、さらに上のプランがあり、増えるのは主に使える量です。
| ツール | 1つ目の有料プランで増える量 | その上のプラン |
|---|---|---|
| ChatGPT | Plusの量は公式サイトで確認 | Pro 月16,800円から |
| Claude | Proは、5時間ごとの枠がFreeの少なくとも5倍 | Max 月100ドルから(月払いのみ)。量はProの5倍か20倍 |
| Gemini | Plusは無料版の2倍、Proは無料版の4倍の上限 | Google AI Ultra 月14,500円から(Proの5倍)。月32,000円のもの(Proの20倍)もある |
料金と使える量は2026年10月20日に各社の公式サイトで確認。
上のプランは、1つ目の有料プランのおよそ5倍以上の金額です。記事を1本ずつ書く仕事なら、まず1つ目の有料プランで回るかを見て、上限で手が止まる日が週に何度も出るようになってから、上げるかを決めても遅くありません。
原稿を書いている場所とつなぐ機能
1つ目の有料プランには、使える量のほかに、ほかのサービスとつなぐ機能が付いています。文章の仕事に関わるのは、クライアントとどこで原稿をやり取りしているかです。
| ツール・プラン | 公式に案内されている主な内容 | 文章の仕事で関わる場面 |
|---|---|---|
| ChatGPT Plus | 複雑な作業向けの応答モード、メモリの拡張と20GBのストレージ、広告なし | ChatGPTの画面の中で、下書きから仕上げまで進める |
| Claude Pro | プロジェクト、追加のモデル、ChromeとMicrosoft 365の中で使うClaude | Microsoft 365のアプリで原稿を扱う仕事や、案件ごとに資料をまとめておきたいとき |
| Gemini(Google AI Plus) | Gmailの中で使うGemini、動画の生成、400GBのストレージ | クライアントとのやり取りがGmail中心のとき |
| Gemini(Google AI Pro) | Plusの内容に加えて、Googleドキュメントの中で使うGemini、5TBのストレージ | 原稿をGoogleドキュメントで共有して直していく仕事 |
各社の公式サイトのプランの説明から、文章の仕事に関わりそうなものを抜き出しました。Claudeは、Web検索とファイルの作成、会話をまたいだメモリを、無料のFreeでも使えると案内しています。
Googleドキュメントで原稿を受け渡しする仕事なら、同じ画面の中でAIを使えるのはGoogle AI Proからです。Google AI Plusは安い一方で、ドキュメントの中で使う機能は案内に入っていません。Microsoft 365のアプリで原稿を扱うなら、Claude Proの連携が候補になります。ただし、どのアプリで使えるかは公式サイトで確認し、クライアントから渡されたアカウントで使ってよいかは、クライアント側の決まりにもよります。
Claudeのプロジェクトのように案件ごとに資料を置いておける機能を使うと、預かった資料をAIの側に置いたままにすることになります。置いてよいかは、次の章の設定と、クライアントとの約束の両方で決まります。
AIが出した下書きを自分で直したあとの点検には、AIとは別の道具もあります。ウェブライダーの文賢は、誤字や表記の揺れ、読みにくい言い回しを、独自のルールに沿って指摘する文章の点検ツールで、14日間の無料体験があります。
預かった原稿の学習への利用と、止める設定
クライアントの原稿や取材のメモをAIに貼ると、その文章はサービスの側に送られます。個人向けのプランでは、3つとも入力した内容がAIの改善に使われることがあり、設定で止められます。違うのは、使われる条件、止めたあとに残る期間、履歴を残さない使い方の名前です。
| ツール | 改善に使われるとき | 止める設定 | 止めたあと | 履歴を残さない使い方 |
|---|---|---|---|---|
| ChatGPT | 改善の設定がオンのとき | 「設定」→「データ コントロール」→「すべての人のためにモデルを改善する」をオフ | 以後の会話はモデルの改善に使われない。保存済みのチャットは消えずに残る | 一時チャット(モデルの改善に使われず、安全上の理由で最大30日間保持される場合がある) |
| Claude | 「Model Improvement」を有効にしたとき、安全性の確認の対象になったときなど | プライバシー設定の「Model Improvement」をオフ | 以後も過去のチャットも、これからの学習には使われない | シークレット チャット(設定がオンでも改善に使われない) |
| Gemini | 「アクティビティの保存」がオンのとき。人のレビュアーが一部を読むことがある | 「アクティビティの保存」をオフ | 以後のチャットは改良に使われないが、72時間はアカウントに残る | 一時チャット(トレーニングに使われず、72時間残る) |
各社の公式ヘルプとプライバシーの説明をもとに作成。設定の名前と場所は、変わることがあります。
Claudeの説明では、設定をオンにしたあとのチャットは、個人を特定できない形にしたうえで、学習の仕組みの中に最長5年残るとされています。オフにすれば使われなくなりますが、すでに進んでいる学習や、学習を終えたモデルから取り除かれるわけではありません。削除したチャットは履歴からすぐ消え、裏側の保存からも30日以内に消されます。利用の決まりに反すると自動で判定された会話は、入力と出力が最長2年保存されます。
Geminiの公式ヘルプは、「アクティビティの保存」がオンのあいだは、機密の内容や、レビュアーに見られたくない内容を入力しないよう注意しています。オフにしても、直近のチャットを使った応答とシステムの障害への備えのために、72時間はアカウントに残ります。一時チャットも同じく72時間です。
最初からオンかオフかは、登録した時期やプランで違うことがあります。契約したら、原稿を貼る前に設定の画面を開き、いまの状態を自分の目で見ておきます。設定の名前は、あとでクライアントに説明するときにも使うので、画面の表示のとおりに控えます。
クライアントの原稿をAIに貼る前に確かめること
学習に使われない設定にしても、原稿がサービスの側に送られ、一定の期間残ることは変わりません。募集文や契約で、AIで作った文章の納品を禁止している仕事があります。未公開の資料や個人の情報を外部のサービスに入れることを禁止している契約もあり、AIへの入力がこれにあたる場合があります。
使ってよいかが書かれていない仕事では、受ける前に聞きます。認められていても、構成だけ、下書きまで、のように使ってよい範囲が決められていることがあります。どのツールのどのプランで、どの設定にして使うかを答えられるようにしておくと、許可をもらいやすくなります。
文章の仕事の受け方と、文字単価の決まり方は、次の記事で説明しています。
AIを使う副業にどんな募集があるかは、次の記事で数えて分けています。
月3,000円の料金を取り戻せる字数
月3,000円前後の料金を、文字単価の仕事の字数に置きかえると、単価が低いほど必要な字数が増えます。
| 文字単価 | 3,000円にあたる字数 | 3,000字の記事で数えると |
|---|---|---|
| 0.5円 | 6,000字 | 2本 |
| 1円 | 3,000字 | 1本 |
| 2円 | 1,500字 | 半分 |
仕事を受けるサービスの手数料は含みません。
有料にするかどうかは、月に受ける本数で答えが変わります。本数と単価は、計算のために置いた仮の数字です。
| 受けている仕事 | 月の売上 | 有料プランを1つ入れると |
|---|---|---|
| 3,000字の記事を月2本(文字単価1円) | 6,000円 | 料金が売上の半分になる。無料の範囲で書き終えられるかを先に見る |
| 3,000字の記事を月10本(文字単価1.5円) | 45,000円 | 料金は売上の約7%。上限で止まる日があるなら、1つ契約する |
| 同じクライアントの未公開の資料をもとに月5本 | 単価による | 先に入力の許可をもらい、学習の設定を止めてから使う |
有料にするのは1つで足ります。3つとも契約すると年に10万円前後になり、月2本の例では1年の売上(72,000円)を上回ります。
契約の前に、自分の文章で3つを試し比べる
どれが自分の仕事に合うかは、料金表からは決まりません。3つとも無料で使える入り口があるので、契約の前に、同じ指示を3つに出して結果を並べます。試す材料は、クライアントの原稿ではなく、自分で書いた練習用の文章か、公開済みで人に見せてよい文章にします。
指示文の例(3つのツールに同じ依頼を出す)
次の文章は、私が練習で書いた〔1,500字〕の記事です。〔30代の会社員〕に向けた記事として、次の3つをしてください。
(1)見出しの案を3つ出す(2)事実を確かめる必要がある箇所を、その文を引用して一覧にする(3)読みにくい文を5つまで選び、直した文を並べる
文章にない情報は足さないでください。判断できない点は「不明」と書いてください。
文章:〔ここに自分の文章を貼る〕
同じ指示文を、ChatGPT・Claude・Geminiに1回ずつ貼ります。比べるときは好みで選ばず、(2)で挙がった箇所が自分の気づいた箇所と合っているか、頼んでいない情報を足していないかを、ツールごとに表にして控えます。無料の範囲で何回目に上限に当たったかも書いておくと、有料にしたあとの使い方の見当がつきます。
契約するツールが決まったら、クライアントに伝える文も用意しておきます。どのツールを、どの設定で、何に使うかを短くまとめた文です。
指示文の例(クライアントに、AIと入力の扱いを伝える)
ライティングの仕事で、クライアントにAIの使い方を伝える文を、200字ほどの丁寧な文章で下書きしてください。
・使うツールとプラン:〔Claude Pro〕
・入力した内容の扱いの設定:〔「Model Improvement」をオフ〕
・AIに貼るもの:〔構成案と自分の下書き〕
・AIに貼らないもの:〔いただいた未公開の資料、取材先の個人名〕
・AIを使う作業:〔見出し案の比較と誤字の確認〕
設定の説明には〔 〕の内容だけを使い、ツールの安全性を約束する言葉は入れないでください。
下書きの〔 〕は、自分の画面で確かめた設定に書き換えてから送ります。設定の名前は前の表のとおりですが、送る前に画面の表示と一字ずつ見比べます。
AIに任せないのは、どのツールが入力を学習に使うかを調べることです。「このAIは入力を学習に使いますか」とAI自身に聞いた答えは、古い内容や別のプランの内容のことがあります。設定の名前と残る期間は、公式のヘルプとプライバシーの説明を自分で開いて読みます。AIが直した文の数字や固有名詞を、もとの資料で確かめるのも自分の作業です。
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AIの利用料は、文章の副業のために払った経費として、領収書やカードの明細を残します。Claudeの料金はドルで請求されるので、帳簿には、カード会社の明細に載った円の額を書きます。帳簿付けと確定申告に使うソフトの料金は、次の記事で並べています。




