スマホのカメラロールに、旅先の景色や季節の花の写真がたまっていく。眺めて終わりにするのは、少しもったいない気がします。
写真素材販売は、撮った写真をストックフォトのサイトに「素材」として登録し、ホームページやチラシに使う写真を探している会社や個人に買ってもらう副業です。依頼主とのやり取りも締め切りもなく、顔や声も出しません。
とはいえ、ありふれた景色の写真を、わざわざお金を出して買う人がいるのか。顔を出さずに撮れるもの、AIで作った画像の扱い、1回買われたときの金額も、登録する前に押さえておきたいところです。素材サイトで「風景」と検索してみると、手がかりが見えてきます。
テーマごとに見るPIXTAの写真の点数
当ブログで、素材サイトのPIXTAの写真の検索に18の言葉を1つずつ入れ、何点の写真が出てくるかを2026年10月に数えました。

図にない6つの言葉は、「背景」が約1,565万点、「建物」が約801万点、「食材」が約422万点、「犬」が約82万点、「子育て」が約55万点、「雑貨」が約36万点でした。
※2026年10月、当ブログ調べ。1枚の写真が、2つ以上の言葉で数えられていることがあります。写真の登録は続いているので、検索する時期によって点数は変わります。
旅先の景色や季節の花は、だれでも撮りやすいぶん、登録している人も多いテーマです。「風景」は約2,400万点、「花」は約1,100万点あり、新しく1枚出しても、その中の1枚として並びます。
会社のホームページや記事の挿絵に使われそうな、仕事や暮らしの場面になると、点数はぐっと減ります。「医療」は約160万点、「お金」は約87万点、「介護」は約30万点で、「風景」と比べると1けたから2けた少ない数です。人の顔が写らない「手元」や「雑貨」も、それぞれ30万点台でした。
※点数の少なさは、買う人の多さを表すものではありません。もともと探す人が少ない言葉もあります。
PIXTAの公式ガイドには、すでにたくさん登録されているテーマの写真は審査に通りにくい、と書かれています。きれいに撮れるかどうかより先に、「その写真が、どんなページのどこに使われるか」を考えてから、撮るものを決めます。
顔を出さずに撮れる写真の題材
だれか分かる形で人が写った写真を売るには、写っている人の同意を示す書類(モデルリリース)が要ります。ほかの人の建物や作品が主役の写真にも、持ち主の許可が要ることがあります。書類なしで出せるのは、自分の持ち物、料理、だれか分からない手元、景色の写真です。
| 書類が要らないもの | 例 |
|---|---|
| 自分の持ち物 | 文房具、食器、家計簿とスマホを机に置いたところ |
| 料理、食材 | 自分で作った料理、買ってきた野菜 |
| 手元や後ろ姿(だれか分からない形) | パソコンを打つ手、ノートに書く手 |
| 風景 | 公園、空、道(ほかの人の持ち物や作品が主役にならないもの) |
「手元」を足したときの点数
仕事や暮らしの場面を表す言葉に「手元」を足して、もう一度点数を2026年10月に数えました。
| 場面の言葉 | その言葉だけ | 「手元」を足す |
|---|---|---|
| ビジネス | 約732万点 | 約9万9千点 |
| 料理 | 約886万点 | 約4万点 |
| スマホ | 約216万点 | 約4万点 |
| 医療 | 約160万点 | 約1万7千点 |
| お金 | 約87万点 | 約1万1千点 |
| 子育て | 約55万点 | 約8,400点 |
| 介護 | 約30万点 | 約6,600点 |
※2026年10月、当ブログ調べ。
「手元」が付いた写真は、どの場面でも全体の0.5〜2.2%でした。「お金」なら約87万点のうち約1万1千点、「介護」なら約30万点のうち約6,600点です。財布からお札を出す手、電卓をたたく手、家計簿に書き込む手のように、顔が写らなくても、何の場面かが伝わる写真は撮れます。
はじめの1枚は、自分の持ち物と手元を使って、仕事や暮らしの場面を撮る形にすると、書類も要らず、だれかに出てもらう必要もありません。
撮る場面の候補を、AIに書き出させる
撮る場面を自分だけで考えると、思いつくものが似てきます。候補を広げる段階では、ChatGPTなどの文章を作るAIに、テーマと家にある物を渡して、場面の案を出させることができます。
指示文の例
写真素材サイトに出す写真の、撮影の候補を考えてください。テーマは〔お金・家計〕です。会社のホームページやWeb記事の挿絵に使われそうな場面を、10個挙げてください。
条件:人の顔は写さず、手元か物だけで撮れること。家にある〔財布、電卓、ノート、スマホ、レシート〕を使うこと。商品名、ロゴ、キャラクターが写る場面は除くこと。
それぞれ、「何をしている場面か」「どの向きから撮るか」「記事のどんな話題に合いそうか」を1行で書いてください。
〔 〕は、自分が撮りたいテーマと、家にある物に替えます。テーマを〔介護〕〔子育て〕に替えると、同じ机の上の物でも、別の場面の案が出てきます。
AIが出すのは文字の案だけで、その場面の写真がPIXTAに何点あるかまでは分かりません。候補ごとに「場面の言葉」と「手元」をPIXTAの検索に入れて、すでに並んでいる写真を見ます。同じ構図が多ければ、小物や向きを変えるか、候補から外します。残った案の中から、今日撮れるものを1つ選びます。
AIに任せないのは、写真そのものです。PIXTAのAIの決まりは、画像の中でAIが新しいものを描いたか、もとの部分を置き換えたかで、出せるかどうかを分けています。場面の案は文字で出させても、カメラやスマホを向けて撮るのは自分です。撮る前には、机の上の商品名やロゴ、レシートやカードに印字された名前や番号が写り込んでいないかを、自分の目で確かめます。
AIで作った画像とPIXTAの決まり
画像を作るAIが広まり、写真の素材もAIで作れば足りるのでは、と考える人もいます。PIXTAは、反対の方向に決まりを変えました。
PIXTAは、AIで作った素材の受け付けをやめた
PIXTAは、AIで生成した素材の新しい審査申請の受け付けを、2026年4月20日に終えました。すでに販売されていたAI生成の素材も、2026年5月22日に販売が止まっています。
いまPIXTAに出せるのは、自分で撮った写真と、自分で描いたイラストです。撮った写真のノイズを消す、くっきりさせる、写り込んだ不要なものを消すといった、写真を整えるためのAIの利用は認められています。反対に、背景をAIで描き足したものや、自分の写真をAIで別の絵柄に変えたものは、もとが自分の写真でも出せません。
AIで作った画像を売る道は、PIXTAの外にあります。受け付けるかどうかも、売るときの決まりも、サイトごとに違います。どこで、いくらで売られているかは、次の記事で説明しています。
1回買われたときの受け取り額
PIXTAの報酬は、写真がどう買われたかで計算のしかたが変わります。
| 買われ方 | 売った人の受け取り |
|---|---|
| 1点ずつ買われる(単品) | 販売価格の22〜42% |
| 定額のプラン(月11点以上)で買われる | 1回につき0.27〜0.47クレジット |
※独占販売や専属の設定をしていない場合。率は、販売の実績で決まるランクが上がると高くなります。
クレジットは、PIXTAの中で報酬をためておく単位です。インボイスの登録をしていない人は、2026年10月1日からの販売分について、1クレジットが107円(税込)で換金されます。はじめのランクで、定額のプランから1回買われると0.27クレジット、円にすると約29円です。1点ずつ買われたときは販売価格の22%以上が入るので、1回の受け取りはこれより大きくなります。
換金できる条件と手数料
換金の申請は、10クレジットたまるとできます。換金1回につき220円の手数料がかかり、10クレジット(1,070円)を替えると、口座に入るのは850円です。定額のプランだけで買われた場合、そこまでに38回かかります。
| 1か月に買われる回数 | 1か月の受け取り | 10クレジットたまるまで |
|---|---|---|
| 5回 | 1.35クレジット(約144円) | 8か月 |
| 10回 | 2.7クレジット(約289円) | 4か月 |
| 20回 | 5.4クレジット(約578円) | 2か月 |
| 38回 | 10.26クレジット(約1,098円) | 1か月 |
※当ブログの計算です。すべて定額のプランで、はじめのランク(1回0.27クレジット)で買われた場合。
月に5回買われるペースなら、はじめの換金まで8か月かかります。1か月で換金に届くには、月に38回買われる必要があります。登録した写真が少ないうちは、換金の申請ができる額に届くまで、何か月かかかると見ておきます。
同じペースで1年続けると
| 1か月に買われる回数 | 1年のクレジット | 1年の金額 |
|---|---|---|
| 5回 | 16.2クレジット | 約1,733円 |
| 10回 | 32.4クレジット | 約3,467円 |
| 20回 | 64.8クレジット | 約6,934円 |
| 38回 | 123.12クレジット | 約13,174円 |
※当ブログの計算です(1回0.27クレジット、1クレジット107円。換金の手数料を引く前の金額)。買われる回数を見込んだものではありません。
月10回のペースでも、1年で約3,500円です。ランクが上がると、定額のプランでの受け取りは1回最大0.47クレジットまで増えますが、金額を大きく動かすのは、買われる写真の枚数そのものです。1枚の当たりをねらうより、合格した写真を1枚ずつ足して、買われる回数を積み上げていく仕事だと考えておきます。
換金できる最低の額や、1回あたりの受け取りの決まりは、サイトによって大きく違います。PIXTAを含む6つのサイトで、はじめの換金までに何回売れればよいかを並べた比較は、次の記事です。
会社に勤めながら写真を売る場合も、副業の所得(収入から経費を引いた金額)が1年で20万円を超えると、確定申告が必要になります。換金の手数料は経費として記録できるので、振り込みがあるたびに、受け取った金額と引かれた手数料を残しておきます。振り込みの記録から申告まで使える会計ソフトは、次の記事で比べています。
PIXTAで始める
写真を売れるサイトはいくつもありますが、当ブログでは、登録から換金までを日本語で進められ、出せる写真の決まりやタグの付け方が公式のガイドにまとまっているPIXTAを、手順の記事の本線にしました。登録は無料で、はじめに払うお金はありません。
用意するのは、カメラかスマホと、身分証明書です。高いカメラは要らず、PIXTAはスマホで撮った写真も登録できます。審査で見られる画質の決まりは同じなので、明るい場所で撮ります。身分証明書(運転免許証、パスポートなど)は、登録のあとに提出します。
クリエイター登録と入門テスト、撮った写真から審査に出す1枚の選び方、タイトルとタグの入れ方、換金の申請までは、次の記事で手を動かす順に書いています。
最初の1枚が売れるまでにかかる期間
登録してから売れるまでは、手を動かす時間より、待つ時間のほうが長くなります。
| 段階 | かかる時間・決まり |
|---|---|
| 登録、身分証明書の提出、入門テスト | 入門テストは15分ほど。合格するまで、写真はアップロードできない |
| アップロードと審査の申請 | 写真1枚ずつに、タイトルとタグを入れる |
| 審査 | 目安は14営業日(約3週間)。混み合うと、もっとかかる |
| 販売 | 合格した写真から並ぶ。いつ最初に買われるかは決まっていない |
| 換金 | 10クレジットたまってから申請する。振り込みは、申請した月の翌々月10日 |
審査で見られるのは、ピントや明るさなどの画質と、素材として使いやすい写真かどうかです。通らなかった写真は、マイページで理由が知らされます。お金はかからないので、理由を控えて、次に撮る写真で直します。公式ガイドが通りにくい例に挙げているのは、背景がごちゃごちゃしたスナップ写真や、同じ場面から少しずつ違う写真を何枚も出したものなどです。似た写真が何枚もあるときは、いちばんよい1〜2枚を選んで出します。
写真を出すときには、PIXTAだけで売る「独占販売」を選ぶこともできます。単品で買われたときの率が30〜48%になるかわりに、その写真をほかのサイトでは売れなくなり、やめるには申し出から90日かかります。続けるかどうかを決めていないうちは選ばずにおき、売れ始めてから考えても間に合います。
締め切りがなく、自分の都合のよいときに撮って出せる反面、すぐにまとまった収入がほしい人や、何か月も結果が見えない状態がつらい人には合いません。撮ったあとに写真を選び、1枚ずつ言葉を入れる作業も続きます。写真を撮ること自体が好きで、本業やほかの副業のあいまに少しずつ枚数を増やしていける人に向いた副業です。
まずは、上の指示文の例に自分のテーマを入れて撮る場面の候補を出し、その中の1つをPIXTAで検索して、どんな手元の写真が並んでいるかを見てみてください。撮る場面が決まったら、登録から最初の1枚を出すまでの手順は次の記事です。





