クラウドソーシングで副業を始めようとすると、まずどのサイトに登録するかで迷います。手数料は「クラウドワークス20%」「ランサーズ16.5%」「クラウディア3〜15%」と並べて紹介されがちですが、消費税を含むかどうかがそろっておらず、金額で率が変わるサイトもあります。
1万円の仕事を1件受けたとして、口座にはいくら届くのか。それが見えないうちは、いくらで提案すればよいかも、どのサイトから始めるかも決めかねるはずです。
3つのサイトの手数料を税込にそろえ直し、その1件の手取りを計算するところへ進みましょう。
前提
- 各社の公式サイトに載っている料率・条件をもとにした比較です
- 募集の多さや受注のしやすさは確かめていないため、どのサイトが上かという順位はつけていません
- 記事内には、広告として掲載しているサービスがあります
1万円の仕事で残る金額を、3つのサイトで比べる
手数料を税込にそろえると、1万円・5万円・10万円の契約では、クラウドワークスの手取りが3つの中でいちばん少なくなります。

| 契約金額(税込) | クラウドワークス | ランサーズ | クラウディア |
|---|---|---|---|
| 1万円 | 7,800円 | 8,350円 | 8,500円 |
| 5万円 | 39,000円 | 41,750円 | 42,500円 |
| 10万円 | 78,000円 | 83,500円 | 87,500円 |
| 15万円 | 122,500円 | 125,250円 | 135,000円 |
| 20万円 | 167,000円 | 167,000円 | 182,500円 |
| 30万円 | 261,500円 | 250,500円 | 277,500円 |
料率は2026年10月20日に各社の公式サイトで確認。1件の契約に当てはめた概算で、振込手数料は含みません。ワーカー(仕事を受ける側)の手数料で計算しています。
差が生まれる理由は、税の扱いの違いです。
| サイト | 公式の表記(ワーカーの手数料) | 税の扱い | 税込の契約金額にかかる率 |
|---|---|---|---|
| クラウドワークス | 10万円以下の部分20%、10万円超20万円以下の部分10%、20万円超の部分5% | 税抜の率。利用料にも消費税がかかる | 22%・11%・5.5% |
| ランサーズ | 契約金額(税込)の16.5% | 税込 | 16.5%(金額によらず同じ) |
| クラウディア | 5万円までの部分15%、5万円超10万円までの部分10%、10万円超100万円までの部分5%、100万円超の部分3% | 「記載の金額はすべて税込」 | 15%・10%・5%・3% |
料率は2026年10月20日に各社の公式サイトで確認。
クラウドワークスの公式の計算例では、税抜10,000円の契約は税込11,000円になり、そこから利用料2,200円とその消費税220円が引かれて、受け取りは8,580円です。11,000円のうち22%が引かれた形で、上の表もこの率で計算しています。
契約金額が大きいときの、クラウドワークスとランサーズの差
クラウドワークスは、10万円を超えた部分から率が11%に下がり、20万円を超えた部分は5.5%になります。ランサーズはどの金額でも16.5%のままなので、20万円の契約で手取りが167,000円で並び、30万円ではクラウドワークスが11,000円多く残ります。
クラウディアは、今回計算したどの金額でも、手取りがいちばん多くなります。ただ、手数料が低いことと、自分の受けたい種類の募集があることは別の話です。募集の中身は、登録したあとに一覧を見て確かめます。
クラウドワークスとクラウディアの手数料の計算のしかた
クラウドワークスとクラウディアは、契約金額を帯に分けて、帯ごとに違う率をかけます。15万円の契約を例にすると、計算はこうなります。
| サイト | 15万円の内訳 | 手元に残る金額 |
|---|---|---|
| クラウドワークス | 10万円までの部分×78%=78,000円、残り5万円×89%=44,500円 | 122,500円 |
| ランサーズ | 15万円×83.5% | 125,250円 |
| クラウディア | 5万円×85%=42,500円、次の5万円×90%=45,000円、残り5万円×95%=47,500円 | 135,000円 |
「15万円なら全体に11%」とはなりません。クラウドワークスのヘルプにも、税込130,000円の契約で、10万円までの部分に20%、残り3万円に10%をかけ、消費税を足して利用料が25,300円になる例が載っています。クラウディアの「3%」は100万円を超えた部分にだけかかる率で、5万円までの部分は15%です。
仕事の形式によっても、率の扱いが変わります。
| 仕事の形式 | クラウドワークス | ランサーズ | クラウディア |
|---|---|---|---|
| 金額を決めて契約する形式 | 帯ごとの率(上の表) | 16.5% | 帯ごとの率(上の表) |
| 簡単な作業を1件ずつこなすタスク形式 | 20%(税抜) | 16.5% | 公式サイトで確認 |
| 働いた時間で報酬が決まる形式 | 1週間を1つの単位として計算 | 16.5% | 一律10% |
形式の呼び方はサイトごとに違います。ランサーズは、プロジェクト・コンペ・タスク・時間報酬・月額報酬・パッケージのすべてが16.5%と案内しています。
タスク形式は、アンケートやデータの入力のような短い作業が多い形式です。数百円の作業でも、クラウドワークスでは2割に消費税を足した分が引かれる、と覚えておくと、受け取りの見込みを外しにくくなります。
残したい金額から、提案する金額を決める
手数料は報酬から引かれるので、提案するときの金額は、手元に残したい金額を割り戻して決めます。1万円を残すには、クラウドワークスでは約12,800円、ランサーズでは約12,000円の契約が要ります。
| 手元に残したい金額 | クラウドワークス | ランサーズ | クラウディア |
|---|---|---|---|
| 1万円 | 12,821円 | 11,977円 | 11,765円 |
| 3万円 | 38,462円 | 35,929円 | 35,295円 |
| 5万円 | 64,103円 | 59,881円 | 58,334円 |
必要な契約金額(税込)の目安です。1円未満は切り上げ、振込手数料は含みません。ランサーズなら「残したい金額÷0.835」で求められます。
募集に予算が書いてあるときも、同じ表で見当がつきます。予算1万円の募集なら、手元に入るのは8,000円前後です。その金額で、かかる時間に見合うかを判断します。
月5万円を10か月受けたときの手数料の合計
1件5万円の仕事を月に1件、10か月続けた場合(契約の合計50万円)を比べると、差は年単位でまとまった金額になります。
| サイト | 1か月の手取り | 10か月の手取り | 引かれた手数料の合計 |
|---|---|---|---|
| クラウドワークス | 39,000円 | 390,000円 | 110,000円 |
| ランサーズ | 41,750円 | 417,500円 | 82,500円 |
| クラウディア | 42,500円 | 425,000円 | 75,000円 |
同じ50万円の仕事でも、受ける場所によって27,500円〜35,000円の差がつきます。一方で、1件30万円の開発のような大きな仕事では、クラウドワークスの手取りがランサーズを上回ります。受ける仕事の金額が変わってきたら、どこで受けるかを見直す目安になります。
3,000円の仕事1件で見る振込手数料の差
報酬を自分の口座へ移すときにも、手数料がかかります。金額も、受け取れる条件も、3つのサイトでばらばらです。
| サイト | 振込手数料 | 出金できる条件 | 締め日と振込日 |
|---|---|---|---|
| クラウドワークス | 楽天銀行100円、ほかの銀行500円(税込) | 初期設定の随時出金方式では、締め日の未出金の報酬が1,000円以上 | 15日締め→当月末、月末締め→翌月15日 |
| ランサーズ | 楽天銀行220円、三井住友銀行220円、そのほかの銀行550円(税込) | 口座の残高が1,000円を超えていること、本人確認、振込先と自動出金方式の設定 | 15日締め→当月末、月末締め→翌月15日 |
| クラウディア | 1回につき一律300円 | 口座の残高が1,000円以上。マイページの入出金管理から振込を依頼する | 依頼した月の締め→翌月20日 |
振込手数料と条件は2026年10月20日に各社の公式サイトで確認。クラウディアの300円が税込かどうかは、公式のよくある質問に書かれていません。振込日が銀行の休業日にあたると、日がずれます。
3,000円の仕事を1件だけ受けて、すぐに振り込んだときの残り方です。
| サイト・振込先 | 手数料を引いた報酬 | 振込手数料 | 口座に入る金額 |
|---|---|---|---|
| クラウドワークス(楽天銀行) | 2,340円 | 100円 | 2,240円(74.7%) |
| クラウドワークス(ほかの銀行) | 2,340円 | 500円 | 1,840円(61.3%) |
| ランサーズ(楽天銀行・三井住友銀行) | 2,505円 | 220円 | 2,285円(76.2%) |
| ランサーズ(そのほかの銀行) | 2,505円 | 550円 | 1,955円(65.2%) |
| クラウディア | 2,550円 | 300円 | 2,250円(75.0%) |
手数料の率ではクラウディアがいちばん低いのに、口座に入る金額では、ランサーズの楽天銀行・三井住友銀行宛てがわずかに上回ります。少額の仕事が中心のうちは、報酬をためて月1回にまとめる、振込手数料の安い銀行を振込先にする、の2つで、引かれる額を抑えられます。
ランサーズの振込手数料の変更予定
ランサーズは、2026年8月31日の振込分から、楽天銀行宛てを110円から220円に上げ、三井住友銀行宛てを550円から220円に下げました。2027年1月29日の振込分からは、楽天銀行宛てが550円になると案内されています。そのあとも220円で受け取れるのは、三井住友銀行宛てです。ランサーズで受け取る口座を決めるときは、この予定まで見ておきます。
報酬をためておける期間
振込手数料を節約しようとして報酬をためすぎると、期限にかかることがあります。
- クラウドワークス: 出金方式は、初期設定の随時出金方式、未出金が5万円以上になったら振り込む方式、自動では振り込まないキャリーオーバー方式の3つから選べます。どの方式でも、報酬が確定した日から180日の出金申請期限があり、過ぎると出金できなくなります
- ランサーズ: キャリーオーバー方式にしていても、獲得から180日(業務委託に関する法律の対象の仕事は15日)を超えた報酬は、登録した口座へ自動で振り込まれます
- クラウディア: 自分で振込を依頼する形なので、依頼するまでは振り込まれません
クラウドワークスだけは、期限を過ぎると受け取れなくなる書き方です。ためる場合は、確定した日をメモしておきます。
出品して買ってもらう型のサイトの手数料
ここまでの3つは、発注者が出した募集に自分から応募する型です。ネットで仕事を受ける場所には、もう1つ、自分のサービスをページにして出品し、買ってもらう型もあります。ココナラが代表で、手数料は売れた金額に対してかかり、振込の条件も別に決まっています。
売るものが決まっていて、内容と値段を自分で決めたい人には、出品する型のほうが合うこともあります。出品する型のサイトの手数料は、次の記事で比べています。
3つのサイトの、AIを使うときの決まり
文章作成や画像づくりの仕事では、AIを使ってよいかどうかを最初に確かめる必要があります。3つのサイトで、決め方の置き場所が違います。
| サイト | 公式の扱い | 受ける側がすること |
|---|---|---|
| クラウドワークス | 「AI活用に関するポリシー」で、AIを使った仕事そのものは禁じず、可否は発注者と受ける人の取り決めにまかせている | 使う前に発注者に可否を聞く。使っていることを隠さない。仕事の詳細やメッセージに可否が書かれていれば従う。発注者の秘密の情報をAIに入れるときは扱いに気をつける |
| ランサーズ | 発注者が依頼を作るときに生成AIの使用を許可するか選び、仕事のページに「生成AIの使用がOK」「避けてください」と表示される。「仕事を探す」で生成AIの使用可否による絞り込みもできる | 表示に従う。ヘルプでは、納品の形式をAIで出せるか作業前に確かめること、修正をAIで直せないときは自分の腕で直す必要があることを注意している |
| クラウディア | よくある質問と「仕事受発注ガイドライン」に、AIについての記載は見当たらない | 仕事ごとに、メッセージで発注者に確かめる |
どのサイトでも、AIの使用が認められるかどうかは、最後は発注者ごとに決まります。サイトを選ぶ段階では、自分がAIを使って進めたい仕事なのか、自分の手で仕上げたい仕事なのかを決めておくと、募集の読み方が定まります。
3つのサイトの募集を、AIに同じ表へ並べさせる
登録先を決める前に、各サイトの公開されている募集を見比べると、自分の受けたい仕事がどこに多く出ているかの見当がつきます。ただ、サイトごとに募集の書き方や項目の並びが違うので、そのままでは比べにくいものです。気になった募集の文を何件か集めて、AIに同じ項目の表へ並べ直させます。
指示文の例(募集を同じ項目で並べる)
次の募集文は、3つのクラウドソーシングサイトに出ている仕事です。1件を1行にして、表にまとめてください。列は「サイト名」「仕事の種類」「依頼の形式(金額を決めて契約/タスク/時間)」「報酬・予算(書かれているとおり)」「報酬が税込か税抜か」「AIの使用についての記載」「納期」「応募の条件」にしてください。募集文にない項目は「記載なし」と書き、補って埋めないでください。どの仕事がよいかの評価はしないでください。
募集文:〔サイト名と、募集の文を1件ずつ貼る〕
表ができたら、「報酬・予算」の列を、この記事の手取りの表に当てはめて、手元に残る金額を書き足します。「記載なし」が多い募集は、応募の前に発注者へ聞くことの控えにもなります。
提案する金額を、AIに検算させる
帯ごとに率が変わるクラウドワークスやクラウディアでは、大きめの仕事の見積もりで計算を間違えやすくなります。自分で計算したあと、手数料の決まりと一緒にAIへ渡して、別の手順で計算し直させます。
指示文の例(見積もりの手取りを検算する)
クラウドソーシングの仕事に、税込〔150,000〕円で提案しようとしています。手数料の決まりは次のとおりです。〔例:10万円以下の部分に22%、10万円超20万円以下の部分に11%、20万円超の部分に5.5%(いずれも税込の契約金額にかける)〕
帯ごとに分けて、手数料と手元に残る金額を計算してください。計算の式を1行ずつ書いてください。私の計算では〔122,500〕円になりました。合っていない場合は、どこで差が出たかを示してください。
AIの計算も間違えることがあるので、答えが食い違ったら、この記事の表と電卓で確かめ直します。
一方で、どのサイトに登録するかの最後の判断、本人確認や振込先の口座の入力、発注者から届いた資料をAIに読ませてよいかの判断は、AIに預けずに自分で行います。とくに資料は、使ってよいか発注者に聞いてからにします。
2つ目のサイトに登録するタイミング
手数料の率だけを見れば、クラウディアはどの金額でも低く、20万円を超える仕事ではクラウドワークスもランサーズより多く残ります。ただ、受けられる件数を決めるのは、手数料よりも、自分の受けたい種類の募集がそのサイトに出ているかどうかです。はじめは1つのサイトで1件受けて、入金までの流れを一度通してから、2つ目を足すかを考えると、納期や振込日の管理で混乱しにくくなります。
複数に登録するときに気をつけたいのが、サイトの外でのやり取りです。クラウディアの「仕事受発注ガイドライン」は、サイトを通さない取引を禁じ、ほかのツールでの連絡も原則として認めていません(事務局に申請して承認された場合だけ例外)。ランサーズは、仮払いの前にランサーズの外でやり取りすることを原則として禁止しています。クラウドワークスの仕事依頼ガイドラインでも、契約前に連絡先の交換を求める依頼は認められていません。どのサイトで受けた仕事も、連絡と支払いはそのサイトの中で済ませます。
クラウドワークスで登録から最初の入金までを進める手順は、次の記事で説明しています。
ランサーズで1件目を受けるまでの手順は、次の記事で説明しています。
記事作成の募集に応募するなら、書いた文章を人に見てもらってから応募する手もあります。株式会社YOSCAの「あなたのライターキャリア講座」は、動画で学ぶセルフコース(一括49,800円・税込)と、講師と1対1でオンライン講義を受けるマンツーマンコース(一括185,000円・税込)があり、どちらも全8回のカリキュラムに5回の添削がついています。講座は登録の条件ではないので、1件目を受けてみて、文章の直し方で迷ったときに検討すれば足ります。
引かれた手数料は、報酬と分けて記録しておく
サイトから届く報酬は、手数料と振込手数料がすでに引かれた金額です。確定申告のときは、契約金額を売上に、引かれたシステム利用料と振込手数料を経費にして、別々に記録しておくと、あとで合わなくなりません。複数のサイトで受けるなら、サイトごとに明細を毎月保存しておくと集計が楽になります。どこまでを経費にできるかで迷ったら、税務署に問い合わせます。
副業の売上と経費をまとめるソフトの選び方は、次の記事で比べています。





