ポッドキャスト編集代行の副業とは|AIに任せる作業と耳で決める作業

ポッドキャスト編集代行の副業とは|AIに任せる作業と耳で決める作業 動画・音声編集の副業
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音声の編集なら、動画より手軽に始められそう。ただ、ポッドキャストの編集をわざわざ人に頼む番組がどれほどあるのか、いまひとつ想像がつかない。

ポッドキャスト編集代行は、番組を配信している人から収録した音声を受け取り、聞きやすく整えて返す仕事です。番組で話すのは出演している人たちなので、編集する側が声や顔を出すことはありません。

収録したままの音声に、どこまで手を入れるのだろう。AIのツールが雑音を消してくれるいま、人の耳はどこで要るのだろう。1本の収録が配信用のファイルになるまでを、作業の順に追いかけてみます。


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ポッドキャスト編集で頼まれる作業

依頼者から届くのは、多くの場合、収録したままの音声ファイルです。2人以上で話す番組では、話す人ごとに別々のファイルで届くこともあります。手を入れるのは、雑音、要らない部分、音量、BGM、書き出しの5か所です。

作業 すること 依頼者と決めておくこと
雑音を抑える エアコンの音や、マイクに入った小さな雑音を抑える どのくらいの仕上がりにするか(見本を聞いてもらう)
要らない部分を切る 言い間違い、「えー」「あのー」、長い沈黙、言い直しを切って詰める 話の中身にかかわる部分を切ってよいか
音量をそろえる 話す人ごとの声の大きさの差をならし、番組全体の音の大きさを整える 配信先に合わせた音の大きさの基準
BGM・ジングルを入れる 番組の冒頭と終わり、話題の区切りに音楽や短い効果音を入れる 音源をどちらが用意し、権利をどちらが確かめるか
書き出す 配信に使うファイルにして納める ファイルの形式、モノラルかステレオか

実際の頼まれ方の例として、クラウドワークスに出ていた募集では、30分前後・2人で話す番組で、2人分の音声ファイルを1本にまとめる、BGMを入れる、言い直した部分を切って1か所を差し替える、という作業が頼まれていました。

編集のほかに頼まれやすい仕事

ショーノートは、各回の概要や、番組で紹介したリンク・本をまとめた文章で、配信サービスのエピソードの説明欄に載ります。検索から番組を見つけてもらう入口にもなるとされます。編集に加えて、ショーノートの下書き、チャプター(話題ごとの目次)、SNSで流す告知文まで請け負うと、1本で受け持つ範囲を広げられます。こうした作業の金額をまとめた公開の相場は少ないので、いくら上乗せするかは依頼者と相談して決めます。

もう1つは映像です。オトナルと朝日新聞社の「第6回ポッドキャスト国内利用実態調査」(2026年2月発表)では、ポッドキャストを聞いている人の約7割が、月に1回以上ビデオポッドキャストを見ていると報告されています。収録したときの映像まで編集してほしいという依頼もありうるため、映像は受けない、あるいは別の料金で受ける、と先に決めて、出品の説明や応募の文に書いておきます。音声だけを扱う点が、動画編集の仕事との違いです。

1本を仕上げるまでに、AIのツールに任せる作業と耳で決める作業

AIのツールに任せられるのは、雑音を抑える処理と、話した内容を文章にまとめ直す作業です。どこを切るか、仕上がりがこれでよいかは、自分の耳で決めます。

工程 AIに任せる部分 自分で決める部分
雑音を抑える AIで雑音を抑え、声を聞き取りやすくする機能にかける かけたあとの声を元の音と聞き比べ、不自然になっていないかを確かめる
要らない部分を切る (任せない) 言い直しや「えー」を切るか残すか。切ったあとも話の流れが変わっていないか
音量とBGM (任せない) BGMの音が声にかぶっていないか、話す人どうしの大きさがそろっているか
ショーノート・チャプター チャット型のAIに下書きを作らせる 名前・商品名・URLを、収録の音声と照らして直す
通して聞く (任せない) 書き出したファイルを、最初から最後まで聞く

雑音を抑える機能としては、Adobe Podcastの「Enhance Speech」があります。強くかけるほど声が人工的に聞こえることがあるため、当ブログの見立てでは、強さを少し下げて元の音と聞き比べるのが無難です。ただし、強さを調整できるのは有料の機能で、無料プランでは調整できません。

切る作業でとくに気をつけたいのは、話している人の言葉の意味が変わってしまう切り方です。言い間違いや長い間を詰めるのは編集の範囲でも、発言そのものを削るかどうかは番組を作る人が決めることです。迷った部分は、何分何秒のところかを控えておき、まとめて依頼者に聞きます。

ショーノートとチャプターの下書きは、AIに作らせて音声と照らす

ショーノートとチャプターは、話した内容をまとめ直す作業なので、チャット型のAIに下書きを任せやすい部分です。材料には、依頼者から受け取った文字起こしか、自分で聞きながら書いた時刻つきのメモを使います。

指示文の例

次は、ポッドキャスト1回分の、時刻つきのメモです。この回のショーノートとチャプターの下書きを作ってください。

・ショーノートは、この回で話したことを〔200〕字ほどでまとめた文と、番組の中で名前が出た本・サービス・URLの一覧の2つに分けてください
・チャプターは「00:00 話題」の形で、話題が変わったところごとに1行にしてください
・メモに出てこない話題、名前、URLは足さないでください
・聞き取りに自信がない名前には、後ろに(要確認)と付けてください

メモ:〔時刻と話した内容を、話題ごとに貼る。出演者の名前は〔名前〕に置き換える〕

下書きが出てきたら、(要確認)の付いた名前と、一覧に並んだ本やURLを、音声を聞き直して1つずつ照らします。番組で紹介した商品名や人名は、AIが似た別の表記に置き換えてしまうことがあるので、そのままは載せません。チャプターの時刻は、編集で切ったぶんだけ前にずれます。書き出したあとのファイルで頭出しをして、時刻を合わせ直してから納めます。

AIのツールを使うことと、未公開の音声の扱いは、受ける前に聞いておく

クラウドワークスの「AI活用に関するポリシー」は、AIを使って仕事を進めること自体は禁じておらず、使うかどうかは発注者と受注者の取り決めに委ねています。そのうえで受ける人には、使う前に発注者へ確かめること、使ったことを意図して隠さないこと、機密性の高い情報をAIのツールに入れるときは扱いに気をつけることが求められています。

配信する前の音声には、ゲストの発言や、まだ発表していない情報が入っていることがあります。AIの雑音除去に通すのも、文字起こしをチャット型のAIに貼るのも、外のサービスに渡すことになるので、使うツールの名前を伝えて了承をもらいます。あわせて、受け取った音声をいつまで手元に残していつ消すか、編集した番組を自分の実績として紹介してよいかも決めておきます。

仕事でのAIの使い方を講座で学ぶ場としては、DMM 生成AI CAMPというオンラインスクールがあります。どんなコースがあって受講にいくらかかるかは、公式サイトに載っています。

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編集ソフトの選び方と、有料のソフトに替える時期

音響の資格は要りません。音声を読み込み、切って、雑音を抑え、音量を合わせて、書き出すまでの操作は、無料のソフトで一通りそろいます。

ツール 料金 主な使い道
Audacity 無料 切る、雑音を減らす、音量を整える、MP3やWAVで書き出す、までを1つでこなせる編集ソフト
Adobe Podcast(Enhance Speech) 無料プランあり。有料の機能はAdobe Firefly Proプラン(月3,180円・税込)で使える ブラウザで音声を上げると、AIで雑音を抑えて声を聞き取りやすくする。無料プランは1ファイル30分(500MB)まで、1日1時間まで
Adobe Audition 単体プランで月3,280円(税込、年間プランの月々払い) 複数の音声を重ねた編集や、音の大きさの細かな調整ができるプロ向けのソフト

※料金と無料プランの範囲は各公式サイトによります。

練習と見本づくりは、Audacityと、Adobe Podcastの無料プランで足ります。無料プランのEnhance Speechは1日1時間までなので、30分を超える番組を何本も練習するときは、Audacityの雑音を減らす機能と組み合わせます。有料のソフトは、続けて受ける番組ができ、処理する量が増えてから考えても遅くありません。

道具でもう1つそろえたいのは、モニター用のヘッドホン(またはイヤホン)です。音のこもりや小さな雑音は、パソコンのスピーカーでは聞き分けにくいためです。

モニター用のヘッドホンには、たとえば次のようなものがあります。

見本は、編集前と編集後を聞き比べられる形にする

出品や応募に添える見本は、編集前と編集後の音声を並べ、どれだけ聞きやすくなったかを耳で比べてもらう形にします。自分が話す必要はなく、家族や知人に話してもらった音声を、公開してよいか許可をもらったうえで使えます。対談の番組を受けたいなら2人で話した音声、一人語りの番組を受けたいなら1人の音声、というように、受けたい番組の形に合わせて用意します。

作業にかかる時間について、Wix公式ブログは、30分の番組の編集は初心者で2時間ほど、慣れると1時間以内まで縮められると説明しています。見本を作るときに、自分が30分の音声に何時間かかったかを測っておくと、あとで料金を決めるときの手がかりになります。

BGMの権利と納品の形式は、受ける前に依頼者と決める

音楽の権利と、配信先の決まりに合わせたファイルの形は、編集の腕とは別に、引き受ける前に取り決めておく点です。

BGMに使える曲の条件

JASRACの音声配信の案内によると、音声配信でJASRACが管理する曲を使うには利用の手続きが要り、市販のCDや配信の音源を使う場合は、著作権とは別に、著作隣接権(音源を作った会社やアーティストの権利)の許諾も得る必要があります。個人の番組の編集で、市販の曲をそのまま流すのは避けます。BGMやジングルは、依頼者が用意した音源か、利用の条件を確かめたフリーBGMに限り、権利を確かめる責任をどちらが持つかも決めておきます。

フリーBGMのサイトとして知られるDOVA-SYNDROMEは、2026年9月15日に「OpenTracks」へ名前とURLが変わりました(規約は、名前とURLの表記のほかは変わっていないとされます)。個人・法人、営利・非営利を問わず使え、ネットラジオの背景音楽に使うことも認められています。一方で、音楽の紹介が主な中身のWEBラジオや作業用BGMのように、音源そのものを聞かせる使い方は禁じられています。曲によって作曲者の条件が違うことがあるので、曲ごとのページも見ておきます。


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規約の読み取りはAIに手伝わせ、決めるのは原文で

BGMサイトの規約は長く、どの項目が番組での使い方に当てはまるかを探すのに手間がかかります。規約のページの文章をチャット型のAIに貼り、番組の使い方に当てはめて答えさせると、原文のどこを読めばよいかの当たりを付けられます。

指示文の例

次は、BGMを配っているサイトの利用規約です。〔週1回配信している個人のポッドキャストで、毎回の冒頭と終わりに同じ曲を流す〕という使い方について、下の問いに答えてください。

・この使い方は、規約で認められているか
・クレジットの表記は要るか。要る場合、どこに何を書くよう求めているか
・禁止されている使い方のうち、この番組に関係しそうなもの
・答えごとに、根拠になった規約の文をそのまま引用してください。規約に書かれていないことは「規約に記載なし」と答え、推測で補わないでください

規約:〔規約のページの文章を貼る〕

返ってきた答えは、引用された文を原文で探し、前後も含めて自分で読んでから使います。AIの答えだけを根拠に、依頼者へ「使えます」とは伝えません。迷う使い方は、サイトの問い合わせ先か依頼者に確かめます。

納品の形式は、配信先の推奨値に合わせる

Apple Podcastsは、番組全体の音の大きさ(ラウドネス)を-16 LKFS前後(±1dB)に、瞬間的な音の最大値(トゥルーピーク)を-1dBFS以下にすることを推奨しています。RSSで配信するファイルは、MP3かAACです。受ける前に、ファイルの形式、モノラルかステレオか、音の大きさの基準をどこに合わせるかを依頼者と決めます。決めた設定は控えておき、2本目からも同じ設定で書き出します。

金額は出品と募集の例から読み、手数料を引いた手取りで考える

クラウドワークスの「発注相場」にもランサーズの「仕事の種類・参考価格」にも、音声の編集だけを分けた項目はありません。そのため金額は、実際の出品と募集の例から見ていきます。

受け方 金額の例 差し引かれるもの 手元に残る額の例
ココナラに出品する 1本1,000〜3,000円ほどの出品が中心。高めの出品は5,000〜12,000円ほど 販売価格の22%(税込)。振込の申請額が3,000円未満なら、振込手数料160円 3,000円で売れると2,340円
クラウドワークスで応募する 30分前後の番組で、1本5,000〜10,000円(税抜)の募集の例 報酬(税抜)のうち10万円以下の部分に20%、さらに利用料に消費税 5,000円の契約で4,290円、10,000円の契約で8,580円
ランサーズで応募・出品する ポッドキャスト編集のパッケージや、音声編集の仕事 契約金額(税込)の16.5% 5,000円の契約で4,175円
番組と直接契約する 本数と作業の範囲で、1本ごとに決める 仲介の手数料はかからない 決めた金額がそのまま入る

※金額の例は各サイトの出品・募集の例をもとにした、当ブログの見立てによる目安です。手元に残る額は各社の公式の料率による当ブログの計算で、振込の手数料は含めていません。

表の金額は、どれも依頼者が支払う額です。検索で見かける高い金額の多くは、企業がポッドキャストの制作会社に頼むときの発注額で、収録の場所や進行の管理、営業にかかる費用まで含まれています。個人が編集だけを受ける金額とは、別のものとして読みます。

ココナラの「音声編集・加工代行」には1,800件を超えるサービスが並び、1,000円台の出品も多く見られます。値段の安さだけで比べられないよう、「2人で話す番組の声の大きさをそろえる」「企業の番組向けに定期配信の割引を付ける」のように、受ける番組と強みを絞ったメニューにします。15分前後の番組の初回の編集を3,000〜6,000円、2本目以降を2,000円からと分けている出品の例もあります。初回は番組の音の傾向をつかむ手間がかかり、2本目からは同じ設定を使い回せる、その差を料金の分け方で見せる形です。

値付けを決めるときは、1本あたりの手取りを、見本づくりで測った作業時間で割ってみます。依頼者とのやり取りや直しにかかる時間も足して考えると、安くしすぎた料金に早めに気づけます。

ココナラで編集のサービスを出すには、無料で会員登録をしたあと、出品する人として「出品者情報」を登録します。アカウントは、買う側として使うものと同じです。

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最初の1件から、毎週の配信を続けて受け持つまで

ポッドキャストは週1回や隔週のように決まった間隔で配信されるので、1つの番組を続けて受け持てると、毎月の本数が読めるようになります。最初の1件を受けるまでと、そこから続けて頼まれるまでの流れは、下の図のとおりです。

ポッドキャスト編集代行を始めるまでの5ステップの流れ図
ポッドキャスト編集代行を始めるまでの5ステップの流れ図
  • 作業の範囲と料金をメニューにする: 何分までの音声か、雑音・カット・BGMのどこまでを含むか、無料で直す回数、納期を書く。ショーノート、2人分の音声をまとめる作業、映像の編集は、別の料金にしておく
  • 出品と応募を同時に進める: ランサーズの「音声の編集・加工」には1万件を超える仕事が出ている一方、ポッドキャストに絞った区分の仕事はわずかでした。ナレーションの音声を整える仕事や、動画の音声部分の調整など、近い仕事にも応募して実績を作る。応募の文には、音声の長さ・話す人の人数・望む仕上がりを確かめたうえで、作業の範囲と納期を具体的に書く
  • 納めるときに、次の回への提案を1〜2件添える: 冒頭のBGMを短くする、話題の区切りにジングルを入れる、といった小さな提案でよい
  • 配信の曜日から締切を決めて固定する: 音声の受け渡しの方法とファイルの形式も、毎回同じにしてやり取りを減らす
  • 工程ごとの作業時間を記録しておく: 3か月ごとに条件を見直す時期を決め、記録した時間を料金の相談の材料にする

受け持つ番組が増えてきたら、サービスの外で出会った番組と直接契約する道もあります。SNSで編集前と編集後の見本を出す、知り合いから紹介してもらう、ポッドキャストの制作会社が出す外部スタッフの募集に応じる、といった入口があります。仲介の手数料がかからないかわりに、契約書、請求、BGMの権利、納期に遅れたときの扱いまで自分で取り決めます。料金は、1本あたりの金額に月の配信本数をかけて、月額の契約にまとめる形が多いようです。

※下の表は、当ブログの見立てによる目安です。

時期 月の収入の目安 していること
始めて〜2か月目 0〜1万円程度 出品と応募を続け、1回きりの仕事で評価を集める
3〜5か月目 1〜3万円程度 週1回配信の番組を1本5,000円で続けて受けると、月4〜5本で約2万円(手数料を引く前)
続けて受け持つ番組が複数になった場合 3〜6万円程度 週1回配信の番組を2〜3本受け持つ

番組を続けて受け持つようになると、入金も毎月の決まった流れになります。会社員が副業で得た所得(売上から経費を引いた額)が1年で20万円を超えた年は所得税の確定申告をし、20万円以下の年でも住民税の申告は別に必要です。編集ソフトやAIのツールの月額、モニター用のヘッドホン、有料の音楽素材の代金は、経費にできる場合があります。企業の番組を直接受けるようになったら、インボイスの登録が要るかどうかも確かめておきます。入金と経費をまとめて記録できる会計ソフトの違いは、次の記事にまとめています。

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