動画編集の副業は「単価が高い」と聞く一方で、「1本に何時間もかかって割に合わない」という話も目にします。
仕事の中身は、発注者が撮った動画の素材を受け取り、要らないところを切って、文字と音を入れ、1本の動画に仕上げて納める仕事です。画面に映るのは発注者なので、編集する人は顔も声も出しません。
実際に募集を数えてみると、多いのはどんな動画なのか。1本いくらで頼まれていて、割に合うかどうかは何で決まるのか。クラウドワークスの募集を数えた結果から、順に確かめていきましょう。
動画編集の募集に多い仕事
当ブログで2026年10月に、クラウドワークスの動画に関わる4つのカテゴリ(YouTube動画作成・編集、TikTok・ショート動画、動画作成・動画制作、映像編集・映像制作)に出ていた募集中の1,531件を、題名に入っている言葉で分けました。

図にない残りは、サムネイルの作成が9件、題名だけでは分からないもの(「動画制作」「在宅スタッフ募集」など)が68件でした。
※2026年10月、当ブログ調べ。数えた日に募集中だったものを、題名の言葉だけで分けました。募集文まで読むと別の区分に入るものもあり、件数は日ごとに動きます。
TikTokやInstagramのリール、YouTubeショートのような縦長の短い動画の編集と、YouTubeなど横長の動画の編集を合わせると1,060件で、10件のうち7件にあたります(2026年10月、当ブログ調べ)。はじめに練習する形は、この2つにしぼって構いません。
動画のカテゴリの中には、動画に出る、声を入れる、自分で撮影する、といった仕事も135件まざっていました(2026年10月、当ブログ調べ)。顔も声も出さずに働きたいなら、題名に「編集」とあっても、募集文で作業が編集だけかを読んでから応募します。
「単価が高い」と紹介されることの多い企業の動画は43件(2026年10月、当ブログ調べ)で、結婚式の動画は、題名にも冒頭の文にも見当たりませんでした。最初からねらうより、実績ができてから広げる先です。
ショート動画とYouTubeの動画の、作業と頼まれ方
同じ「編集」でも、2つの形では、手を動かす中身と、仕事の続き方が変わります。
| 比べる点 | ショート動画 | YouTubeなど横長の動画 |
|---|---|---|
| 形 | 縦長で短い | 横長で、ショートより長い(クラウドワークスの相場の例は15分) |
| 手のかかるところ | テンポよく切る、大きな文字を入れる、音に合わせる | 長い素材から使う場面を選ぶ、話の全部にテロップを入れる |
| 募集に出てくる言葉 | 「未経験」「初心者」をふくむ募集が、306件のうち49件 | 「継続」「長期」をふくむ募集が、487件のうち278件 |
※「TikTok・ショート動画」と「YouTube動画作成・編集」のカテゴリで、題名と、一覧に出る冒頭の文を数えた結果です(2026年10月、当ブログ調べ)。
ショート動画は1本が短いので、練習の1本を仕上げやすく、未経験を歓迎する募集も見つかります。YouTubeの編集は、同じ発注者から続けて頼まれる募集が半分をこえていて(2026年10月、当ブログ調べ)、1本ごとに次の仕事を探し直さずに済みます。
どちらから始めるかに決まりはありません。ショート動画で1件目の実績を作り、横長の動画の募集にも応募していく、という順番もとれます。2つの形で迷うなら、ふだん自分がよく見ている形を選ぶと、見やすい動画のテンポを手がかりにできます。
3分の動画を1本仕上げて、自分の速さを測る
募集の金額を見る前に、自分が1本に何時間かかるかを知っておきます。同じ金額の仕事でも、速さによって、1時間あたりに残る額が何倍も変わるからです。
そろえるもの
- パソコン:スマホで使える編集ソフトもありますが、長い動画の編集と書き出し、大きなファイルの受け取りがあるので、仕事として続けるならパソコンが現実的です
- 編集ソフト:練習は無料のもので足ります
- インターネット:素材のファイルは大きく、受け取りにも納品にも時間がかかります
- イヤホンかヘッドホン:声の大きさのばらつきや、雑音を聞き分けるために使います
当ブログが2026年10月に数えた1,531件の題名と冒頭の文では、ソフトの名前が出てくる募集のうち、Premiere Proが76件で、DaVinci ResolveとCapCutはそれぞれ2件でした。ソフトの名前を書いていない募集のほうが、ずっと多くあります。DaVinci Resolveには無料版があるので、練習はそれで始め、Premiere Proを指定する募集に応募するようになった時点で、有料のソフトを考える順番で間に合います。
なお、依頼を受けて編集するときは、個人向けとは別のプランを選ぶよう案内しているソフトもあります(Filmoraなど)。練習のあとに有料のソフトを選ぶときは、仕事に使えるプランの値段を、次の記事の表で見比べられます。
練習の1本の作り方
- スマホで、自分が3分ほど話す動画を撮る(人に見せない、測るための1本)
- 言い間違いと、間の空いたところを切って、つなぐ(カット)
- 話した内容の全部を、画面に文字で入れる(テロップ)
- 音楽を付け、声の大きさをそろえる
- 横長か縦長、練習したい形で1本のファイルに書き出す
- 撮り終えてから書き出すまでにかかった時間を、メモしておく
この4つの作業(カット、テロップ、音、書き出し)は、どの募集でも頼まれる基本の形です。練習の段階では、字幕もカットも自分の手で入れます。手でやって何に時間がかかるかが分かっていると、仕事を受けてから、どこを道具で速くできるかを判断できます。
手で作る練習を、教材に沿って進めたい場合は、動画編集を学べるオンラインスクールもあります。たとえばデイトラには動画編集のコースがあり、教材は期限なく見られ、分からないところはメンターに質問できます。コースの中身と料金は、公式サイトに載っています。
1本の金額を、1時間あたりに直して受けるかを決める
動画編集の報酬は、ほとんどが「1本いくら」です。当ブログが2026年10月に数えた募集では、金額を先に決める固定報酬制が98%でした。発注者向けに公式サイトで示されている金額は、次のとおりです。
| 仕事 | クラウドワークスの発注相場 | ランサーズの参考価格 |
|---|---|---|
| ショート動画 | 1本3,000円〜 | 1本5,000〜10,000円 |
| YouTubeの動画(15分の動画の編集) | 1本8,000円〜 | — |
| サムネイルの作成 | — | 1枚3,000〜5,000円 |
| 企業の紹介の動画など | 1本120,000円〜(映像編集・映像制作) | 1本10,000〜500,000円(動画制作) |
※各社の公式ページによる。依頼する側に向けた目安で、実際の金額は依頼ごとに決まります。「—」は、同じ項目を確かめられなかったものです。
ここから利用料が引かれます。ランサーズは契約金額(税込)の16.5%、クラウドワークスは20%に消費税がかかって22%(10万円以下の部分)です。
| 1本の金額 | クラウドワークスの手取り | ランサーズの手取り |
|---|---|---|
| 3,000円 | 2,340円 | 2,505円 |
| 5,000円 | 3,900円 | 4,175円 |
| 8,000円 | 6,240円 | 6,680円 |
※当ブログの計算です。振込手数料は、出金のときに別にかかる場合があります。
手取りを、練習で測った時間をもとに見積もった作業時間で割ると、1時間あたりの金額が出ます。
| 1本の金額 | 手取り | 2時間で終わる | 4時間かかる | 6時間かかる |
|---|---|---|---|---|
| 3,000円 | 2,340円 | 1,170円 | 585円 | 390円 |
| 5,000円 | 3,900円 | 1,950円 | 975円 | 650円 |
| 8,000円 | 6,240円 | 3,120円 | 1,560円 | 1,040円 |
※当ブログの計算です(クラウドワークスの手取り÷かかった時間)。
たとえば、3分の練習に2時間かかったなら、15分の動画には10時間ほどかかる見当になります。1本8,000円の仕事なら、手取り6,240円を10時間で割って、1時間あたり約620円です。同じ作業をくり返すと、時間は短くなっていきます。いまの速さで割に合わないと感じたら、はじめは素材が短い募集を選び、何本か受けてから時間を測り直します。
募集の「予算」の読み方
募集の一覧に出る金額は、予算の幅です。金額を先に決める1,494件(2026年10月、当ブログ調べ)の、予算の上限を分けると次のようになりました。
| 予算の上限 | 件数 |
|---|---|
| 5,000円以下 | 348件 |
| 5,000円超〜1万円 | 196件 |
| 1万円超〜5万円 | 553件 |
| 5万円超〜10万円 | 89件 |
| 10万円超 | 62件 |
| 金額の表示なし | 246件 |
※2026年10月、当ブログ調べ。何本かまとめた金額や、1か月ぶんの金額のこともあります。
いちばん多い「1万円超〜5万円」も、5本ぶんなら1本あたりは数千円です。予算の数字では選ばず、募集文を開いて「1本あたりいくらか」「もとの素材は何分か」を読み、上の表の割り算に当てはめます。
AIに任せる下ごしらえと、自分で決めるところ
音声から字幕の下書きを作るツールや、文章から動画を作るAIが出てきても、編集の募集はなくなっていません。2026年10月に数えた募集の中には、AIを使って動画を作る仕事が59件あり、字幕づくりを助けるソフトのVrewの名前を題名や冒頭の文に出している募集もありました。AIは、編集の中で使う道具の1つとして扱われています。
発注者がお金を払うのは、仕上がりに責任を持つ部分です。次の作業は、AIの出したものをそのまま使わず、自分の目と耳で決めます。
- どこを残すか:話の流れが伝わるように、使う場面を選ぶ
- 字幕の中身:人の名前、商品名、数字の間違いを直し、読みやすい位置で改行する
- そのチャンネルらしさ:文字の色や大きさ、効果音の入れ方を、過去の動画にそろえる
- 納める前の通し見:音の大きさ、文字の見切れ、書き出しの形式を、最初から最後まで見て確かめる
発注者の決まりを、納品前の確認表にする
仕事が始まると、発注者から「テロップは白い文字に黒い縁」「効果音は入れすぎない」といった決まりが、何通かのメッセージに分かれて届きます。これを1枚の確認表にまとめる作業は、AIに下書きさせやすい部分です。映像や音声ではなく、決まりの文だけを渡します。
指示文の例
次は、動画編集の発注者から受け取った決まりごとです。納品の前に1つずつ確かめるための確認表にしてください。
・「テロップ」「音」「カット」「書き出し」「その他」に分けてください
・1行に1項目にして、行の頭に□を付けてください
・決まりごとに書かれていないことは、足さないでください
・どちらとも読める決まりは、表の最後に「発注者に聞くこと」としてまとめてください
決まりごと:〔発注者からのメッセージのうち、決まりの部分だけを貼る。チャンネル名や人の名前は〔発注者〕に置き換える〕
出てきた表は、元のメッセージと1行ずつ見比べ、抜けている決まりがないかを確かめます。「発注者に聞くこと」に入った項目は、編集を始める前にまとめて質問します。そのうえで、書き出した動画を通して見ながら□を埋めていきます。AIに確かめさせるのではなく、自分が確かめるときの表をAIに作らせる、という使い方です。
クラウドワークスの「AI活用に関するポリシー」は、AIを使って仕事をすること自体を禁じていません。そのうえで働く側には、使ってよいかを前もって発注者に確かめること、使ったことを隠さないこと、募集文やメッセージで示された可否を守ること、発注者の情報をAIに入れるときの扱いに気をつけること、AIを使っても約束した品質を守ることを求めています。預かる素材は公開の前の動画なので、決まりの文を貼るときも、映像や音声をツールに読み込ませるときも、先に発注者に断っておきます。
最初の1件は、応募できる場所で探す
仕事の取り方は、募集に自分から応募する形と、サービスを出品して買われるのを待つ形に分かれます。
| 場所 | 仕事の取り方 | 引かれる利用料 |
|---|---|---|
| クラウドワークス | 募集を見て、自分から応募する | 契約金額(税込)の22%(10万円以下の部分) |
| ランサーズ | 募集を見て、自分から応募する | 契約金額(税込)の16.5% |
| ココナラ | 「動画を編集します」というサービスを出品して、買われるのを待つ | 売れた金額の22%(税込) |
実績のないうちは、出品して待つより、募集の多い場所で自分から応募するほうが、1件目にたどり着きやすくなります。クラウドワークスで、見本の動画を用意して応募し、素材を受け取って納め、報酬が口座に入るまでの手順は、次の記事にまとめました。
クラウドワークスとランサーズのどちらに登録するかは、利用料の差と振り込みの条件で決まります。2つのサイトを並べた比較は、次の記事にあります。
ココナラの「動画編集・映像制作」のカテゴリには、当ブログが2026年10月に数えた時点で約38,000件の出品がありました。動画編集のサービスは3,000円から出品できます。応募で何本か納めて実績ができてから、出品を足す使い方が合っています。
出品して売る形の副業で、どんなサービスがいくらで売られているかは、次の記事で説明しています。
続けて頼まれてから、作業の幅を広げる
1本ごとの金額を上げるのは、続けて頼まれる発注者ができ、作業が速くなってからでも遅くありません。当ブログが考える順番は、下の表のとおりです。
| 段階 | すること |
|---|---|
| 1〜3本目 | 期日と決まりを守って納め、評価を1件ずつ積む。この段階では、金額の高さで募集を選ばない |
| 次の回も頼みたいと言われたら | 新しい募集より、その発注者の次の1本を先に受ける。決まりを覚え直さずに済むぶん、1本が早く仕上がる |
| 作業に慣れたら | よく使う文字の形や効果音を、ひな形として編集ソフトに保存しておく |
| 実績が数本たまったら | サムネイルの作成や、動画の出だしの構成の提案まで受ける。ランサーズの参考価格では、サムネイルは1枚3,000〜5,000円 |
| その先 | 企業の紹介やセミナーの動画に広げる。クラウドワークスの発注相場では、企業の紹介の動画は1本120,000円から |
続けて頼まれる関係を作るうえで、いちばんの足かせになるのは直しの多さです。直しの依頼が続くときは、作業の前に、見本にしたい動画と、文字の色・大きさ・効果音の決まりを聞き、はじめの1分ぶんだけを先に見てもらいます。方向がずれていても、1分ぶんなら直す手間は小さく済みます。受けた直しの中身は、確認表に1行ずつ足していきます。
サムネイルまで受けるときは、文言の候補をAIに出させる
サムネイルは、動画の表紙になる1枚の画像です。入れる短い文言を考える段階は、AIに候補を出させられます。動画の中身を伝えることになるので、AIを使ってよいかを発注者に確かめてからにします。
指示文の例
次の動画のサムネイルに入れる文言の候補を、10個出してください。
・1つ〔13〕字以内にしてください
・動画の中で話していないことは入れないでください
・「必ず」「絶対」のような、言い切る言葉は使わないでください
動画の内容:〔発注者から聞いた、動画の要点を3行ほどで〕
候補から1つを選ぶのは自分です。そのチャンネルの過去のサムネイルを見て、言い回しの長さや口調がそろうものを選び、画像の中の文字の大きさと配置も、過去のものに合わせて作ります。候補をそのまま並べて発注者に選ばせると、作業を任された意味が薄れてしまいます。
企業の紹介やセミナーの動画は、2026年10月に数えた募集のうち43件で、出てくる数は多くありません。YouTubeの編集で続けて頼まれる発注者を持ったうえで、企業の動画の募集が出たときに応募できるよう、見本を1本用意しておく、という進め方になります。
素材・音楽・お金のやり取りで守ること
- 音楽と素材は、仕事で使ってよいものだけ:依頼を受けて作る動画は、仕事としての利用になります。「フリー」と書かれた音楽や画像でも、個人で楽しむ範囲に限るものがあります。使う前に、仕事で使ってよいか、作者名の表示が要るかを、配布元の決まりで確かめます。発注者から渡された音楽を使う方法が確実です
- 預かった素材は、外に出さない:公開の前の動画を、自分のSNSや見本に使いません。見本に使いたいときは、発注者に確かめます
- 報酬のない「テスト」には応じない:クラウドワークスは、報酬のないテストやサンプル作成を求める依頼を禁止しています
- やり取りと支払いは、サイトの中で:発注者と直接契約して報酬を受け取る形は、クラウドワークスの利用規約で違反とされています
- 仮払いが済むまで、素材に手を付けない:発注者が報酬をクラウドワークスに預ける「仮払い」の前に作業を求められても、応じません
使える音楽や映像が手元にないときは、有料の素材サイトで買う手もあります。PIXTAでは、仕事に使える動画の素材を購入できます。どこまで使えるかは素材ごとのライセンスで決まるので、買う前に読んでおきます。
報酬が入るたびに、金額と、引かれた利用料を書き留めておきます。会社員の副業では、所得(売上から経費を引いた金額)が1年で20万円を超えると確定申告をします。20万円以下のときも、住民税の申告は要ります。利用料、編集ソフトの代金、素材の購入費は、経費として記録できる場合があります。動画編集のように、ソフトや素材の支払いが何度も出る副業の記録に向く会計ソフトは、次の記事で比べています。
練習の1本で速さが分かったら、その数字を持って募集を見にいきます。見本の動画の作り方、応募文の例、素材の受け取りから納品までの手順は、次の記事で順に説明しています。







