Kindle出版の副業とは|印税の仕組みと1冊あたりの受け取り額

文章を書く副業
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自分の本をAmazonで売ってみたい。でも、何を書けばいいのか。書いたとして、本当に買われるのか。

Kindle出版は、自分で書いた原稿を電子書籍にして、Amazonのストアで売る副業です。出版社を通さずに個人で出せて、著者名はペンネームにできます。一度出した本を置いておき、売れたぶんだけお金が入る形です。

1冊売れると、いくら入るのか。題材は、どこで見つければよいのか。AIは、どこまで使ってよいのか。まずは、1冊目に何を書くかから始めましょう。


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1冊目の題材の選び方

本にできるのは、特別な肩書きのある人の話だけではありません。職場や家族、友人から「それ、どうやったの?」と聞かれて、説明したことがある話は、同じことで困っている人にとって読む価値があります。

本の種類 題材の例
経験をまとめた本 仕事で身についたやり方、資格の勉強のしかた、転職や引っ越しの記録
やり方を教える本 道具の使い方、手続きの進め方、家事や片付けの手順
読みもの エッセイ、小説
絵や写真が中心の本 絵本、写真集、イラスト集

※当ブログが考えた例です。

まず、人に聞かれて答えたことのある話を、紙に3つ書き出します。その中から、「はじめに何をして、次に何をしたか」を順に説明できるものを選びます。順に説明できる話は、そのまま章の並びになるからです。

日記帳やノートのように中身の少ない本は、Amazonの審査に3〜4週間かかる場合があると、公式ヘルプに書かれています。1冊目は、自分の経験を文章で説明する本にしておくと、出版の流れを早く一通り経験できます。

AIに聞き手をさせて、経験を書き出す

題材が決まっても、いざ書こうとすると、自分では当たり前すぎて何を書けばよいか分からなくなることがあります。そこで、ChatGPTのような文章のAIに、取材する人の役をしてもらいます。AIが質問し、自分が答える形にすると、忘れていた手順や、つまずいた場面を思い出しやすくなります。

指示文の例

私は、〔子どもが小さいうちに、在宅勤務で仕事と家事を回してきた経験〕を電子書籍に書こうとしています。あなたは聞き手になって、私の経験を具体的にするための質問を、1回に1つだけしてください。

私が答えたら、その答えの中で、まだ説明が足りないところをさらに聞いてください。「そのとき、何に困ったか」「どうやって解決したか」「最初に知っておきたかったことは何か」を、特にくわしく聞いてください。質問は〔10問〕で終えてください。私の答えをまとめたり、本の文章を書いたりはしないでください。

〔 〕は、自分の題材に替えて使います。答えは、AIの画面に打つだけでなく、自分のメモにも書いておきます。そのメモが、本文の下書きの材料になります。質問をしたのはAIでも、本文を書くのは自分です。


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AIで作った本を出すときの決まり

AIを使った本も出版できます。ただし、KDPには「AIが作ったものは、出版するときに知らせる」という決まりがあります。知らせる必要があるかどうかは、AIの使い方で分かれます。

AIの使い方 KDPでの扱い 知らせる必要
AIに本文を書かせた(あとで自分で大きく直した場合もふくむ) AI生成 ある
AIで表紙や本文の画像を作った AI生成 ある
AIで翻訳した AI生成 ある
自分で書いた文章を、AIで直した・整えた・間違いを確かめた AIアシスト ない
AIで案を出し、本文は自分で書いた AIアシスト ない

※KDP公式「コンテンツ ガイドライン」をもとに、当ブログが整理。どちらの場合も、ガイドラインと、ほかの人の権利を守る必要があります。

分かれ目は、「本の中身そのものを、AIが作ったか」です。上の聞き手の使い方なら、AIが出すのは質問だけで、本に載せる文章は自分の答えから自分で書きます。表の下の2行(AIアシスト)に当たると考えられます。迷ったときは、AIが作った部分があるものとして知らせます。

AIに頼まずに、自分で手を動かす作業もはっきりさせておきます。

作業 AIに任せない理由
経験を書いた部分の本文 本の値打ちは、その人にしか書けない経験にある。AIに書かせるとAI生成になる
手続きの名前、料金、日付などの事実 AIは、確かめていない数字や名前を、それらしく書くことがある。公式の情報で自分が確かめる
表紙の写真やイラストを選ぶこと 使う権利を持っている画像だけを使う。AIで作った画像を使ったときは、知らせる必要がある
出版の手続きで、AIの使い方を答えること 本の中身に責任を持つのは、出版する本人

原稿をWordで、表紙をCanvaで作り、紙の本と電子書籍を同時に出す手順を、1冊にまとめた入門書もあります。

書く速さを測ってから、本の大きさを決める

1冊を書き上げるのに何日かかるかは、自分の書く速さで決まります。本の長さを決める前に、30分で測っておきます。

手順 すること
1 本にしたい題材で、小見出しを1つ決める(例:「はじめての確定申告で、最初にそろえた書類」)
2 聞き手のAIに答えたメモを見ながら、30分で、その小見出しの文章を書けるところまで書く
3 書けた文字数を数える

たとえば、30分で600字書けたなら、1時間に1,200字です。2万字の本なら、書くだけで約17時間かかる見当になります。週に5時間取れる人なら、3〜4週間です。読み直しと表紙づくりの時間は、別に見ておきます。

この数字があると、「1冊目は1万字の短い本にする」「2か月かけて3万字にする」といった本の大きさを、自分の暮らしに合わせて決められます。1冊目を短くしておくのは、出版の流れを一度通すためでもあります。小見出しを先に全部決め、1日に1つずつ書く形にすると、途中で止まりにくくなります。

KDPで出版するまでの流れと費用

Amazonの「Kindle ダイレクト・パブリッシング」(KDP)を使います。登録も出版も無料です。原稿と表紙ができてからの流れは、大きく分けると下の表のとおりです。

流れ すること
出す KDPに、本の情報・原稿・表紙を登録し、価格を決める
審査 Amazonの審査のあと、Kindleストアに並ぶ(最長で3営業日)
受け取る 売れた冊数と、読まれたページに応じて、ロイヤリティ(印税)が入る

用意するのは、原稿を書くパソコンと文章のソフト(WordやGoogleドキュメント)、表紙の画像、Amazonのアカウント、受け取り用の銀行口座です。表紙は、Canvaなどのデザインのツールで自分で作れます。原稿も表紙も自分で作れば、出版までにお金はかかりません。

表紙をCanvaで作るとき、文字の置き方や配色に自信がなければ、講座で基礎から学ぶ方法もあります。デジタルハリウッドとCanvaが共同で作った「Canvaデザインプログラム」は、動画で学ぶオンラインの講座で、どのコースにもCanvaの有料のアカウントが12か月分付きます。3つのコースの違いと料金は、公式サイトで比べられます。

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表紙だけは人に任せたい場合は、ココナラのようなスキルマーケットで、電子書籍の表紙を作っている人を探せます。頼む前に、出品ページで、Kindleの表紙の大きさで作ってもらえるかを確かめます。

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アカウントは本名、本に出す名前はペンネーム

KDPのアカウントと支払いの情報は、本名と、口座の名義に合わせて登録します。表紙や販売ページに出る著者名は、本を作るときの著者の欄に入れる名前なので、ここにペンネームを入れれば、本名は読者に見えません。会社員の人は、副業についての就業規則を、出版の前に読んでおきます。

アカウントの作り方、目次の決め方と原稿の形式、本の情報の入力、原稿と表紙のアップロード、価格の設定まで、KDPで1冊目を出す手順は、次の記事で順に説明しています。

出版の進め方を、紙の本でじっくり読んでおきたい人向けには、生成AIとKindle出版を組み合わせた解説書も出ています。

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1冊売れたときのロイヤリティの率

出版の手続きの最後に、ロイヤリティの率を35%と70%のどちらかから選びます。選んだ率で、付けられる価格と、ほかのストアでも売れるかが変わります。

項目 35% 70%
付けられる価格 99円〜20,000円 250円〜1,650円
条件 なし 日本の読者への販売では、KDPセレクトへの登録が必要
配信コスト 引かれない ファイルの大きさに応じて引かれる(1MBあたり1円)

※KDPの公式ヘルプによる。

「KDPセレクト」は、その本の電子版をKindleストアだけで売ると約束する、90日ごとの無料のプログラムです。登録しているあいだに、同じ本の電子版をほかのストアで売ることはできません。そのかわり、読み放題のサービス(Kindle Unlimited)の対象になります。

Kindle本が1冊売れたときの受け取り額を、35%と70%のロイヤリティで比べた棒グラフ。税抜の価格が250円なら約88円と174円、500円なら175円と349円、1,000円なら350円と699円、1,500円なら525円と1,049円
1冊売れたときの受け取り額(当ブログの計算)
価格(税抜) 35% 70%
250円 約88円 174円
500円 175円 349円
1,000円 350円 699円
1,500円 525円 1,049円

※当ブログの計算です。税抜の価格に料率をかけた概算で、70%は、ファイルが1MBの本として配信コスト1円を引いています。画像の多い本は、ファイルが大きくなるぶん配信コストが増えます。

同じ500円の本でも、35%なら175円、70%なら349円です。文章が中心で、250円〜1,650円の価格にする本なら、70%を選ぶと1冊あたりの受け取り額がほぼ2倍になります。はじめての1冊で、ほかのストアに出す予定がなければ、KDPセレクトに登録して70%を選ぶのが分かりやすい選び方です。

楽天Koboなど、Kindle以外のストアでも同じ本を売りたい人は、KDPセレクトに登録せず、35%を選ぶ形になります。ストアを広げたときに1冊あたりの金額がどう変わるかは、出版サービスごとの料率と条件を並べた次の記事で比べられます。

読み放題で読まれたときの分配金

KDPセレクトに登録した本は、読み放題の会員に読まれたページ数に応じて、分配金が入ります。公式ヘルプによると、仕組みは下のとおりです。

  • 毎月、「KDPセレクト グローバル基金」という全体の金額が決まる。金額は月ごとに見直され、公式のフォーラムで発表される
  • その月に読まれた全体のページ数のうち、自分の本が読まれたページ数の割合で、分配金が決まる
  • 1人の読者が1冊の本で数えられるのは、3,000ページまで

1ページあたりの金額は、毎月変わります。公式ヘルプには金額が載っていないので、下の表の単価は、計算のしかたを示すための仮の数字です。

読まれたページ数(1か月) 1ページ0.3円と仮定 1ページ0.5円と仮定
1,000ページ 300円 500円
5,000ページ 1,500円 2,500円
10,000ページ 3,000円 5,000円

※当ブログの計算です。0.3円と0.5円は、実際の金額ではなく、仮に置いた数字です。出版したあとは、KDPのレポートで、読まれたページ数と分配金を確かめられます。

100ページの本が10人に最後まで読まれると1,000ページ、10人とも半分でやめると500ページです。同じ人数に手に取られても、途中で閉じられる本は分配金が半分になります。だから、冊数を増やす前に、1冊を最後まで読みやすく仕上げることが、そのまま収入につながります。本のはじめの数ページで「だれの、どんな困りごとに答える本か」が分かるようにしておくと、読み進めてもらいやすくなります。

印税が入金される時期

ロイヤリティの支払いは、売上が報告された月の末日から約60日後です。1月に売れたぶんは、3月の末に支払われます。本を書きはじめてから最初の入金までは、書く期間と審査の日数を足して、数か月を見ておく必要があります。

今月のうちに決まった収入がほしい人や、書きたいことがまだ1つも思い浮かばない人には、Kindle出版は向きません。仕事を受けてすぐ報酬になる副業とあわせて考えます。反対に、まとまった文章を何日かに分けて書き進められて、出したあとも内容紹介や価格を見直せる人なら、1冊ずつ積み上げていく形が合っています。

会社に勤めながらKindle出版をしている人は、1年のロイヤリティから経費を引いた残り(所得)が20万円を超えたら、確定申告をします。20万円に届かない年も、住民税の申告は要ります。経費にできる場合があるのは、表紙を人に頼んだ費用や、有料のツールの利用料です。ロイヤリティは月ごとに分けて振り込まれるので、そのたびに金額を控えておくと、年末にまとめて数えずに済みます。その控えをそのまま帳簿にできる会計ソフトは、次の記事で比べています。

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出したあとは、販売ページと冒頭を直していく

内容紹介、キーワード、カテゴリー、価格は、出版したあとでも変えられます。変えられないのはタイトルなので、タイトルだけは出す前に時間をかけて決めます。出したあとは、下の順で手を入れていきます。

時期 すること
販売が始まったら Kindleストアで自分の本を探し、ほかの本と並んだときに、表紙の題名が小さくても読めるかを見る
売れないとき 内容紹介のはじめの数行に、「だれの、どんな困りごとに答える本か」を書く。キーワードを、具体的な言葉に替える
読まれたページが少ないとき KDPのレポートで、読まれたページ数を見る。本のはじめの部分を読みやすく直す
2冊目 1冊目と同じ読者に向けた、となりの題材で書く。1冊目を読んだ人が、次に知りたいことを選ぶ
90日ごと KDPセレクトを続けるかを見直す。読み放題でほとんど読まれていないなら、ほかのストアでも売る形を考える

※当ブログが考えた順番です。

本のステータスが「ブロック」になったときは、ガイドラインに合わないところがあるということです。内容紹介に連絡先やURL、価格の話を書いていないか、ほかの人の文章や画像を無断で使っていないか、AIで作ったものを知らせ忘れていないかを見直します。

まずは、人に聞かれて答えたことのある話を3つ書き出し、聞き手のAIに10問聞いてもらうところから始めてみてください。題材が決まったら、KDPで1冊目を出すまでの手順は次の記事にあります。


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