自分の文章にお金を払う人なんて、本当にいるのだろうか?noteで記事を売っている人を見かけるたびに、そんな疑いが頭をよぎることはないでしょうか。
noteの有料記事は、自分の経験や知っていることを文章にして、1本ずつ買ってもらう副業です。何を書き、いくらにするかは自分で決め、顔も声も出さずにペンネームで書けます。
書き始める前に知っておきたいのは、有料の記事がどれくらい出ていて、いくらで売られているか。どんな話にお金が払われ、買うかどうかがどこで決まるか。そして、1本売れたら手元にいくら残るか、です。いまnoteに並んでいる記事の値札を、実際に数えたところから話を進めます。
noteの有料記事は何割で、いくらで売られているか
noteは、だれでも無料で記事を書いて公開できるサービスです。公開するときに「有料」を選ぶと、記事の途中から先を、買った人だけが読めるようにできます。会員登録も公開も無料で、手数料は売れたときにだけ引かれます。
当ブログで、noteの検索に「副業」「仕事」「暮らし」の3つの言葉を入れ、新しい順に出てくる記事399件の価格を2026年10月に数えました。

| 検索した言葉 | 数えた記事 | 有料の記事 | 価格の中央値 |
|---|---|---|---|
| 副業 | 200件 | 29件(14.5%) | 500円 |
| 仕事 | 100件 | 10件(10.0%) | 500円 |
| 暮らし | 99件 | 9件(9.1%) | 400円 |
※2026年10月、当ブログ調べ。新しい順に出てきた記事を数えた結果で、時間によって変わります。売れた数は分かりません。中央値は、有料の記事を価格の低いものから並べて、真ん中に来た記事の価格です。
有料の記事は、399件のうち48件(12%)でした(2026年10月、当ブログ調べ)。その48件のうち25件が「300円超〜500円」で、1,000円を超える記事は9件、いちばん高い記事は5,980円です。新しく出てくる記事の9割ほどは無料で読め、有料の記事は、その中に少しだけ混ざっています。
人気の順で並べたときの価格
同じ「副業」という言葉で、並び順を「人気」に変え、上から100件も2026年10月に数えました。
| 並び順(「副業」で検索) | 数えた記事 | 有料の記事 | 価格の中央値 | 1,000円を超える記事 |
|---|---|---|---|---|
| 新しい順 | 200件 | 29件(14.5%) | 500円 | 6件 |
| 人気の順 | 100件 | 14件(14%) | 880円 | 6件 |
※2026年10月、当ブログ調べ。人気の順の決まり方は、公開されていません。
有料の記事の割合は、どちらの並び順でも14%ほどでした(2026年10月、当ブログ調べ)。人気の順で上に並ぶ記事も、8割以上は無料です。違ったのは価格で、人気の順では、有料の14件のうち6件が1,000円を超えていました。
この結果から、はじめは無料の記事を何本か出して読んでくれる人を増やし、最初の有料記事は新しい記事に多い300〜500円で出す、という進め方を当ブログでは考えています。1,000円前後の記事は、読まれるようになってから、中身の多いものを出すときの価格です。
noteで付けられる価格は、通常の会員で100円〜50,000円、noteプレミアムとnote proの会員は上限100,000円です(公式ヘルプ)。幅は広くても、実際に並んでいる記事はワンコインの近くに集まっています。自分が書くテーマの言葉でnoteを検索し、有料の記事がいくらで並んでいるかを見てから、最初の1本の価格を決めます。
お金を払って読まれる中身と、AIの使いどころ
制度の説明や一般的な手順は、AIに聞けば無料で答えが返ってくるようになりました。読者がお金を払ってまで読みたいのは、書く人にしか書けない部分です。
| AIに聞けば分かること | 人が書く意味があること |
|---|---|
| 制度や用語の説明 | 自分がやってみた結果と、かかった金額や時間 |
| 一般的な手順 | うまくいかなかったことと、その理由 |
| よくある選び方 | その仕事や立場の人にしか分からない細かい事情 |
たとえば「家計の見直し」なら、固定費の削り方の一般論ではなく、自分が解約したもの、残したもの、月にいくら変わったかを書きます。「転職」なら、面接で聞かれたことや、決めた理由を書きます。有料の部分の中身になる体験と数字は、AIに作らせず、自分の手元の記録から書きます。ここをAIに書かせると、どこかで読んだような文章になり、お金を払って読む理由が薄れます。
見出しの案を出す、言い回しを整える、誤字を探す、といった仕上げの作業には、AIを使えます。noteにも「note AIアシスタント」という、書くのを助ける機能があります。使えることと決まりは、noteの公式ヘルプで確かめてから使います。
noteの機能のほかに、言い回しを整える専用のツールもあります。文賢は、日本語の誤りや読みにくさを独自のルールで指摘し、書き換えの案をAIで出すこともできるツールです。体験の中身は自分の言葉のまま残し、誤字と言い回しだけを点検する、という使い方ができます。料金と無料体験の期間は、公式サイトで確かめてください。
売る記事に書かないもの
- ほかの人の文章や画像のそのままの転載。引用するときは「」などで自分の文章と分け、出どころを書く
- 「必ず稼げる」のような、結果を約束する言い方。お金や副業の話は、自分がやった事実として書く
- 勤め先や取引先の、外に出せない話。経験を書くときは、会社や人が分からない形にする
- 確かめていない数字。書いた数字は、自分の記録か、出どころを示せるものだけにする
会社員の場合は、書き始める前に、勤め先の副業についての決まりも見ておきます。
体験は書けても、読む人に伝わる文章になっているかは、自分では判断しにくいものです。人に文章を見てもらいながら書き方を身につける方法として、株式会社YOSCAの「あなたのライターキャリア講座」があります。全8回のカリキュラムに、添削を受ける課題が全5回付いています。コースは2つで、動画で進めるセルフコースが一括49,800円(税込)、オンライン講義を受けるマンツーマンコースが一括185,000円(税込)です。申し込む前に、無料で相談できます。
有料ラインをどこに引くか
有料の記事では、どこから先を有料にするかを、1本の線(有料ライン)で決めます。線は段落と段落のあいだにだけ置け、線より上は、だれでも無料で読めます。読者は、この無料の部分を読んで、買うかどうかを決めます。
- 最初の数行:だれに向けた記事か、読むと何が分かるかを書く
- 線の手前:有料の部分に何が書いてあるかを、見出しや項目の一覧で見せる
- 線の位置:一覧を見せた直後に置き、有料の部分の中身そのものは、線より上に出さない
書き上げた無料の部分が、知らない人にどう読まれるかは、自分では見えにくいものです。AIに読者の役をさせて、無料の部分だけを読んだ感想を聞くことができます。
指示文の例
あなたは、〔在宅勤務を始めたばかりで、家計を見直したい30代の会社員〕です。次の文章は、noteの有料記事のうち、無料で読める部分です。この部分だけを読んだ読者として、次の3つに答えてください。
1. この記事は、だれに向けたものだと思いましたか。2. 買ったら、何が分かりそうだと思いましたか。3. 買うのをためらうとしたら、どこですか。
文章の書き直しはしないでください。良い点を並べるより、分かりにくいところを具体的に挙げてください。
無料の部分:〔ここに、有料ラインより上の文章を貼る〕
〔 〕には、その記事を読んでほしい人を、年代や立場まで書きます。1の答えが、自分の考えていた読者とずれていたら、最初の数行を直します。2の答えが有料の部分の中身と違っていたら、線の手前の一覧を直します。AIの答えは、本物の読者の反応ではありません。直す場所を探す手がかりとして使い、文章を書き直すのは自分です。
公開したあとは、ログアウトするか、ブラウザのシークレットモードで自分の記事を開き、線が思った場所にあるかを確かめます。ログインしたままだと、自分の記事は最後まで表示されるので、線の位置が分かりません。
有料記事を公開する手順と返金の設定
パソコンのブラウザで出すときは、公式ヘルプにある次の順に進みます。
- 右上の「投稿」を押して、記事を書く
- 「公開に進む」を押す
- 記事を「有料」に切り替えて、価格を入れる
- 右上の「有料エリア設定」を押す
- 「ラインをこの場所に変更」を押して、どこから先を有料にするかを決める
- 「投稿する」を押す
このとき、返金の設定も見ます。有料記事は、何も変えなければ「購入者からの返金申請を受け付ける」という設定で公開されます。この設定の記事が買われると、買われてから24時間以内に限り、返金になることがあります。返金するかどうかは、noteが審査して決めるので、申請があれば必ず返金される、というものではありません。
当ブログが2026年10月に数えた有料の48件では、18件がこの設定のままでした。受け付けないようにするには、公開の設定の画面でチェックを外します。どちらを選ぶかは、「投稿する」を押す前に決めておきます。
「投稿する」の前に、表の5つを見直します。
| 見直すこと | 見るところ |
|---|---|
| 価格 | 同じテーマの言葉でnoteを検索し、並んでいる有料記事の価格とかけ離れていないか |
| 無料で読める部分 | だれに向けた記事か、読むと何が分かるかが、線より上に書いてあるか |
| 有料ラインの位置 | 線の手前に、有料の部分の一覧があるか(公開後は、ログアウトして開いて確かめる) |
| 返金の設定 | 受け付けるか、受け付けないかを、自分で選んだか |
| 書いてある数字や事実 | 自分の記録か、出どころを示せるものか |
手数料と、500円の記事が売れたときの手取り
有料記事が売れると、売上から3つの手数料が引かれます。
| 引かれるもの | 金額 |
|---|---|
| 事務手数料 | 買った人の支払い方法で変わる。クレジットカード5%、PayPay 7%、Amazon Pay 7%、携帯キャリア決済15%など |
| プラットフォーム利用料 | 事務手数料を引いたあとの金額の10% |
| 振込手数料 | 売上を口座に振り込んでもらうとき、1回につき270円 |
※noteの公式ヘルプによる。事務手数料とプラットフォーム利用料は、1件売れるごとにかかります(どちらも小数点以下は切り捨て)。
この料率を、新しい記事に多かった価格に当てはめました。
| 記事の価格 | 事務手数料(クレジットカード) | プラットフォーム利用料 | 残る金額 |
|---|---|---|---|
| 300円 | 15円 | 28円 | 257円 |
| 500円 | 25円 | 47円 | 428円 |
| 1,000円 | 50円 | 95円 | 855円 |
※当ブログの計算です(1,000円の行は、公式ヘルプの例と同じ)。買った人が携帯キャリア決済を使うと、500円の記事で残るのは383円です。
振込を申請するときの手数料
振込手数料の270円は、売れた数に関係なく、振込1回ごとにかかります。少ない金額で振り込んでもらうほど、手数料の割合が大きくなります。
| 500円の記事が売れた数 | 残る金額 | 振込手数料を引いたあと |
|---|---|---|
| 1本 | 428円 | 158円 |
| 3本 | 1,284円 | 1,014円 |
| 10本 | 4,280円 | 4,010円 |
| 20本 | 8,560円 | 8,290円 |
※当ブログの計算です(すべてクレジットカードで買われた場合)。
1本売れたところで振込を申請すると、口座に入るのは158円です。売上が何本ぶんかたまってから、まとめて申請します。本名を出さずに書いていても、振込を受けるための銀行口座の登録は要ります。
売上には、預かり期限がある
noteの売上は、売れた月の翌月2日に確定し、そこから180日間が「預かり期限」です。期限までに、銀行口座の登録と振込の申請をします。期限を過ぎた売上が1,000円未満のときは、Amazonギフトカードで支払われます(公式ヘルプ)。
定期購読マガジンなど、月額で売る方法
noteには、1本ずつ売る有料記事のほかにも、お金を受け取る方法があります。プラットフォーム利用料は、定期購読マガジンだけが20%で、ほかは有料記事と同じ10%です。
| 方法 | 中身 | プラットフォーム利用料 |
|---|---|---|
| 有料記事 | 1本ずつ値段を付けて売る | 10% |
| 有料マガジン | いくつかの記事をまとめて、買い切りで売る | 10% |
| メンバーシップ | 月額の会員を集める | 10% |
| チップ | 読んだ人から、応援のお金を受け取る | 10% |
| 定期購読マガジン | 月額で読んでもらう | 20% |
※noteの公式ヘルプによる。利用料は、事務手数料を引いたあとの金額にかかります。
月額の方法は、毎月読みに来てくれる人がいてはじめて成り立ちます。始める条件は、使うときに公式ヘルプで確かめます。最初は、1本ずつ売る有料記事で、どんな話が買われるかを見ます。
売上の記録と申告
売上が入ったら、その月の売上と、引かれた手数料を控えておきます。会社員で、副業の所得(収入から経費を引いた金額)が1年で20万円を超えた場合は、確定申告をします。noteで引かれた手数料は、経費として記録できます。
売上と手数料を月ごとにまとめられる会計ソフトは、次の記事で比べています。
noteのほかに、書く力や写真を生かす副業
noteの有料記事は、書いても売れなければ収入は0円です。読んでくれる人が増えるまで、無料の記事を書き続けることになります。売れるかどうかを待つより、書いた分だけ報酬を受け取りたい人には、依頼を受けて記事を書くWebライティングのほうが合います。仕事の中身と文字単価は、次の記事で説明しています。
文章より写真を撮るほうが好きなら、写真を素材として売る道もあります。売る場所も、1回買われたときの金額の決まり方も、noteとは違います。どんな写真が売られていて、1回買われるといくらになるかは、次の記事で説明しています。
まずは、自分が書けそうなテーマの言葉でnoteを検索し、有料の記事がいくらで、どこに線を引いて並んでいるかを、何本か開いて見てみてください。




