文字起こしの副業に使うAIツールを調べると、法人向けの月額数万円のプランと、個人でも契約できるプランが同じ一覧に並んでいます。どこまでが自分に要る金額なのか境目がつかめず、料金表のタブばかりが増えていく。
Notta・LINE WORKS AiNote・Rimo・tl;dvは、どれも個人で申し込めるプランを持っています。迷いを分解すると、1年でかかる金額、無料のまま受けられる量、預かった録音を入れてよいかどうか、という三つの問いに行き着きます。
最初に、4社の料金を1年分にそろえた表をご覧ください。
この比較の前提
- 各社の公式サイトに書かれている料金と条件をもとに比べています。文字起こしの精度は測っていないため、どれが正確かは書いていません
- 広告として載せているツールがあります。順位はつけず、無料で足りる場合はそう書いています
AI議事録・文字起こしツールの1年間の料金
「年払いで40%オフ」「月あたり◯円」と、各社で見せ方が違うため、年払いにした場合と、月払いを12か月続けた場合の金額にそろえました。
| プラン | 年払いの1年間 | 月払いを12か月 | 月に文字にできる時間 | AIによる要約 |
|---|---|---|---|---|
| LINE WORKS AiNote フリー | 0円 | 0円 | 300分 | 使えない |
| Notta フリー | 0円 | 0円 | 120分(1回3分まで) | 月10回 |
| tl;dv 無料 | 0円 | 0円 | 会議の録画と文字起こしは回数の上限なし | AIメモは会議10回分まで |
| Rimo(旧Rimo Voice) 文字起こしプラン | 13,200円 | 19,800円 | 2,100分 | なし |
| Notta プレミアム | 14,220円 | 23,760円 | 1,800分 | 月100回 |
| LINE WORKS AiNote ソロ | 19,008円 | 21,120円 | 600分 | 月12回 |
| tl;dv プロ | 36,960円 | 59,760円 | 上限なし | AIメモの上限なし |
| Rimo プロプラン | 39,600円 | 59,400円 | 上限なし | 月100ノートまで |
料金は2026年10月20日に各社の公式サイトで確認。Notta・Rimoは税込表示、LINE WORKS AiNoteは税抜表示に消費税10%を加えて計算、tl;dvは公式サイトの円表示のまま(税の扱いの記載は確認できませんでした)。

無料のプランが3つ、ファイルの文字起こしを中心にした年1.3万〜1.9万円のプランが3つ、会議の録画と要約まで任せる年3.7万〜4万円のプランが2つ、という並びです。下の帯ほど、Web会議に参加して録る機能が付きます。
同じプランでも、月払いを1年続けると年払いより高くつきます。差が大きいのは会議向けの2つで、tl;dvのプロは22,800円、Rimoのプロプランは19,800円の差になります。
会議の録音機能が要る仕事、要らない仕事
上の表で値段を大きく分けているのは、会議に参加して録る機能があるかどうかです。副業の仕事のどちらに近いかで、払う帯が決まります。
| 仕事の形 | ツールに要る機能 | 払う帯 |
|---|---|---|
| クライアントから録音ファイルを受け取り、文字や記事にする(文字起こし、インタビュー原稿など) | 音声・動画ファイルの取り込み、話者の区別 | 無料〜年1.9万円 |
| クライアントのWeb会議に出て、録音から議事録を作る(議事録の代行、オンライン秘書など) | Zoomなどの会議の録音・録画、要約 | 年1.4万〜4万円 |
文字起こしの募集は、録音ファイルを受け取って作業する形が中心です。この場合、録画用のボットを会議に参加させる機能は使う場面がありません。Rimoの文字起こしプランは、この使い方に絞ったプランで、要約、その場での録音、会議の録画を外したぶん、月2,100分のファイルを年13,200円で文字にできます。Rimoは2026年9月30日に「Rimo Voice」から名前が変わったため、少し前の比較サイトでは旧名で載っていることがあります。
会議に出る仕事では、録音から要約までを1つのツールで済ませられるかが分かれ目になります。Nottaのプレミアムは、Zoom・Google Meet・Teams・Webexの会議の文字起こしに対応し、ファイルの取り込みも月100個までできるので、2つの仕事をまたいで使える中ほどの価格帯です。tl;dvとRimoのプロプランは、会議にボットを入れて録画する使い方が中心になります。
文字起こしの仕事で頼まれる作業と金額は、次の記事で説明しています。
議事録や要約の代行の募集の実際は、次の記事にまとめました。
無料のプランで受けられる録音の量
無料のプランは3つありますが、仕事の録音を丸ごと文字にできる量があるのは、LINE WORKS AiNoteのフリープランだけです。
| 無料のプラン | 文字にできる量 | 仕事に使うときの壁 |
|---|---|---|
| LINE WORKS AiNote フリー | 月300分 | 要約とWeb会議の録音は使えない。録音した音声がAI技術の向上などに使われる場合がある |
| Notta フリー | 月120分 | 1回3分までなので、30分の録音は1本も通せない |
| tl;dv 無料 | 会議の録画と文字起こしは回数の上限なし | AIメモは会議10回分まで。録音ファイルの取り込みは5件まで |
60分の録音なら、AiNoteのフリープランで月に5本まで入ります。Nottaのフリープランは、3分ずつに切った録音で操作や書き出しの形を見るためのものと考えたほうがよく、tl;dvの無料プランは、会議を録る仕事を試すときに向きます。Rimoは、無料で使える範囲を公式サイトで確認してください。プロプランには1週間の無料トライアルがあり、文字起こしプランは申し込んだときに支払いが始まると案内されています。
無料のプランを仕事に使うときに壁になるのは、量よりも音声の扱いです。AiNoteのフリープランは、録音した音声データを当社のAI技術の性能向上に使う場合があることに同意して使う決まりです。自分の声で試すぶんには気にしなくてよくても、預かった録音を入れる前には、次の章の確認が要ります。
クライアントの録音と、AIの学習への利用
会議やインタビューの録音には、社外に出せない話や人の名前が入っています。録音をツールに入れてよいか、どのツールならよいかは、受ける側ではなくクライアントが決めることなので、作業の前に聞いておきます。聞かれたときに答えられるよう、プランごとの扱いを公式の記載で並べました。
| ツール | 音声の学習への利用(公式の記載) |
|---|---|
| Rimo | プロプラン・文字起こしプランとも「AI学習なし」 |
| Notta | 音声認識の精度を上げるため、音声と認識結果の一部が学習に使われる。「AI学習なし」はエンタープライズなどの上位プランで提供。要約などの機能では学習に使わない |
| LINE WORKS AiNote | フリープランは、録音した音声がAI技術の向上などに使われる場合がある。ソロプランの扱いは公式サイトで確認 |
| tl;dv | 料金ページでは記載を確認できなかった。利用規約で確認 |
「学習に使わないでほしい」と言われた仕事では、この中で条件をはっきり満たせるのはRimoです。文字起こしが中心ならRimoの文字起こしプラン、会議にも出るならプロプランが候補になります。Nottaを使いたいときは、クライアントにNottaの扱いを伝えて、了承をもらってから使います。
どのプランでも、作業が終わった録音と原稿は、クライアントの指示に合わせてツールから消します。消し方と保管される期間は、各ツールのヘルプで確かめておきます。
月に受ける本数を分に直すと、足りるプランが決まる
プランの「月◯分」は、受ける録音の長さを足した数字と比べます。60分の録音を例に、月の本数ごとに足りるプランを並べました(金額は年払いにした場合の1年分)。
| 受ける量 | 月の合計 | 足りるプラン | 1年の費用 |
|---|---|---|---|
| 60分の録音を月に2〜3本。要約は自分で書く | 120〜180分 | LINE WORKS AiNoteのフリー(学習の扱いをクライアントが了承した場合) | 0円 |
| 60分の録音を月に10本ほど。要約の下書きもツールで作る | 600分ほど | Nottaのプレミアム(月1,800分・要約100回) | 14,220円 |
| 60分の録音を月に20本以上。文字起こしだけ。学習に使わない条件つき | 1,200分以上 | Rimoの文字起こしプラン(月2,100分) | 13,200円 |
| Web会議に週1回出て、議事録を納める。学習に使わない条件つき | 会議の数による | Rimoのプロプラン(会議の録画・要約) | 39,600円 |
月600分は、AiNoteのソロプランの上限とちょうど同じです。録音が1本増えれば足りなくなり、要約も月12回までなので、10本の録音それぞれに要約を付けると残りは2回です。本数が月によって変わる仕事では、使う量より一回り大きいプランにしておくと、月末に手が止まりません。
Nottaは、文字起こしと要約を1つのツールで続けたい人の候補になります。プレミアムプランは1回5時間までの録音を扱えるので、長い会議の録音も切らずに入れられます。
長い録音や動画で届く仕事で見る、1本の上限と形式
月の合計が足りていても、1本の長さや届くファイルの種類で止まることがあります。セミナーの録画のように2〜3時間の動画で届く仕事を受けるなら、合計の分数より先にこちらを見ます。
| ツール | 1本あたりの上限・取り込める数 | 動画で届いたとき |
|---|---|---|
| Notta | 1回の文字起こしはフリー3分、プレミアム5時間。ファイルの取り込みはフリー月50個、プレミアム月100個 | 音声・動画ファイルの取り込みに対応 |
| LINE WORKS AiNote | 1本の上限は、個人向けプランの値を公式サイトで確認 | ヘルプに載っている形式は.m4a・.mp3・.aac・.amr・.wavの音声。動画を入れられるかは公式サイトで確認 |
| Rimo 文字起こしプラン | 月2,100分の中で、ファイルのアップロードで使う | 動画もアップロードできるが、ノートで確かめられるのは音声だけ |
| tl;dv 無料 | 1回の録画は3時間まで。ファイルの取り込みは5件まで | 会議の録画が中心で、受け取ったファイルを続けて入れる使い方には向かない |
AiNoteで動画の仕事を受けるときは、入れる前に、動画から音声だけを書き出せるか(使っている編集ソフトやスマホのアプリで)を確かめておくと、届いてから慌てません。Rimoの文字起こしプランは、画面を見ながら確かめる必要のある動画(資料を映しながら話すセミナーなど)では、元の動画を別に開いて見比べることになります。
文字にしたあとは、別のAIに「聞き直す場所」を探させる
どのツールの文字起こしも、そのままでは納められません。同じ読みの別の言葉への変換、話者の取り違え、人名や社名の誤りは、どのツールでも残ります。全部を聞き直すと録音と同じだけ時間がかかるので、聞き直す場所をしぼる作業を、文章を扱うAI(ChatGPTなど)に頼めます。
文字起こしの結果を別のAIに貼るのも、録音を外に出すことの一つです。クライアントに了承をもらっている範囲で、貼るAIの学習の設定も確かめてから使います。
指示文の例(聞き直す場所の一覧)
次の文字起こしは、AIのツールで自動で作ったものです。直した文は出さずに、録音を聞き直して確かめるべき場所だけを、表にしてください。列は「時刻」「該当する文」「確かめる理由」の3つにしてください。
次のものは、すべて挙げてください。人の名前、会社名、商品名、数字(金額・日付・人数)、前後の話とつながらない言葉、同じ読みの別の言葉と取り違えていそうな言葉、話す人が途中で入れ替わっていそうな場所。
文字起こし:〔ここに、時刻つきの文字起こしを貼る〕
表ができたら、ツールの再生画面でその時刻に飛び、耳で聞いて1つずつ直します。ここはAIに任せません。AIの一覧は手がかりで、一覧に出なかった場所に誤りが残ることもあるからです。人名と社名は、音だけで決めず、クライアントからもらった資料や名簿の表記に合わせます。
聞き直しが終わったら、クライアントの表記の決まりに合っているかを確かめます。ここでも、直すのは自分で、AIには合っていない場所を探させるだけにします。
指示文の例(表記の決まりとの照らし合わせ)
次の原稿が、下の表記の決まりに合っていない場所を、すべて挙げてください。原稿は書き換えずに、「該当する文」と「どの決まりに合わないか」だけを出してください。
表記の決まり:〔数字は半角/「えー」「あの」は消す/話す人の名前は【 】で囲む/会社名は正式名称で書く〕
原稿:〔ここに、聞き直したあとの原稿を貼る〕
最後に、頭から通して録音を流し、原稿と見比べます。抜けている発言がないか、話す人の名前が合っているかは、通して聞かないと分かりません。納める前のこの通し聞きは、どのツールを選んでも人の仕事として残ります。
ツールを選ぶときは、時刻つきで書き出せるか、再生画面で文字を押すとその場所から聞けるかを、無料の範囲やトライアルの間に、自分が扱う種類の録音で試しておきます。納める形式(Wordやテキストなど)で書き出せるかも、このときに見ます。
月払いから年払いに切り替える時期
年払いは1年分を先に払うため、途中で使わなくなっても、払った分は戻らないのが一般的です。最初の1〜2か月は月払いにして、月に使った分を見てから年払いにすると、プランの大きさを外しません。
| プラン | 月払いの月額 | 年払いの1年間 | 月払いを12か月続けたときとの差 |
|---|---|---|---|
| Rimo 文字起こしプラン | 1,650円 | 13,200円 | 6,600円 |
| Notta プレミアム | 1,980円 | 14,220円 | 9,540円 |
| LINE WORKS AiNote ソロ | 1,760円 | 19,008円 | 2,112円 |
| tl;dv プロ | 4,980円 | 36,960円 | 22,800円 |
| Rimo プロプラン | 4,950円 | 39,600円 | 19,800円 |
AiNoteのソロは差が2,112円と小さく、月払いのまま続けても負担は大きく変わりません。反対に、会議向けの2つは月払いを続けると2万円前後高くなるので、会議の仕事が続きそうだと分かった時点で年払いに替えると差が出ます。
トライアルから自動で有料に切り替わるか、解約はどの画面からできるかも、申し込む前に確かめます。Rimoのプロプランは1週間の無料トライアルのあとに支払いが始まると案内されているので、試すだけなら、終わる日を手帳に書いておきます。
ツールの利用料は、副業の仕事に使った分を経費にできます。経費を記帳して申告するソフトの料金は、次の記事で比べています。




