AIが記事を書くようになったいま、文章を書く副業はもう遅いのでは、と思う人もいるかもしれません。
Webライティングは、企業やメディアに頼まれて、Webサイトに載せる記事を書く仕事です。パソコンがあれば家ででき、顔も声も出しません。資格も要りません。
では、AIが広まったいま、どんな記事にお金が払われているのでしょうか。未経験の人は、どの募集から入ればよいのでしょうか。手がかりは、実際に出ている募集の題名の中にあります。
未経験から受けやすい記事の種類
企業や個人が運営するWebサイトには、読みものの記事がたくさん載っています。運営者は、それを自分たちだけでは書ききれないので、外の人に頼みます。頼まれる記事は、書く材料の違いで4つに分かれます。
| 記事の種類 | 書くこと | 未経験からの入りやすさ |
|---|---|---|
| 体験をもとに書く記事 | 自分の仕事、子育て、買い物、趣味などの体験 | 入りやすい |
| 調べてまとめる記事 | テーマについて調べ、整理して説明する | 入りやすいが、AIと重なりやすい |
| 専門の知識で書く記事 | お金、医療、法律、ITなど、仕事で得た知識 | その分野の経験がある人向け |
| 取材して書く記事 | 人に話を聞いて、記事にまとめる | 慣れてから |
当ブログが2026年10月に、クラウドワークスで未経験から応募できる記事の募集582件を数えたところ、題名に「体験」と入った募集が103件ありました。「あなたの転職の体験を書いてください」「一人旅の思い出を記事に」といった、自分のことを書く仕事です。
題材は、人に自慢できる経歴でなくてかまいません。接客の仕事で覚えた言い回し、子どもの寝かしつけで試したこと、家計簿をつけて気づいたことなど、毎日の暮らしや仕事の中に材料があります。調べものに時間を取られないので、はじめての1本に向いています。
そろえるものは、パソコンとインターネット、文書を作るソフトです。長い文章を書き、指定の形で納めるので、スマホだけでは進めにくい仕事です。文書のソフトは、無料のGoogleドキュメントで足ります。
文章を組み立てるより、決まった手順の作業をこつこつ進めるほうが合いそうなら、文字起こしやデータ入力から入る道もあります。仕事の中身と時給は、次の記事で説明しています。
ライティングの募集に書かれたAIの扱い
クラウドワークスで募集中のライティングの仕事1,729件を調べると、「AI」という言葉が入った募集が742件ありました(2026年10月、当ブログ調べ)。4割を超えています。AIを使ってよいと書いた募集もあれば、使わないでと書いた募集もあります。
| 募集文の言い方 | 件数 |
|---|---|
| 使ってよいと書いた募集(「AI使用可」「AI活用OK」など5つの言い方) | 58件 |
| 使わないでと書いた募集(「AI使用不可」「AI使用禁止」など5つの言い方) | 2件 |
※言い方が一致した募集だけを数えています(2026年10月、当ブログ調べ)。言い方はほかにもあるので、全体の数ではありません。
可否をはっきり書いていない募集が、ほとんどだということです。クラウドワークスの「AI活用に関するポリシー」は、AIを使うこと自体を禁じていません。使うかどうかは、発注者と受ける人のあいだで決める、という立場です。そのうえで受ける人に求めているのは、指示を守ることと、使ったことを隠さないことです。
- 募集文やメッセージで示された「使ってよいか、だめか」を守る
- 書かれていないときは、使ってよいかを先に聞く。使ったことを隠さない
- 発注者から預かった情報を、AIに入力するときは取り扱いに気をつける
- AIを使っても使わなくても、約束した品質を守る
ランサーズも、生成AIを使うときの注意点として、著作権と、直しを頼まれたときに自分の力で直せることを挙げています。AIが出した文章をそのまま納めると、事実の間違いや、ほかの文章と似た表現が混ざるおそれがあります。最後に読んで確かめ、責任を持つのは書いた本人です。
AIで変わったのは、人に頼む記事で求められる中身です。調べてまとめるだけなら、発注者が自分でAIに下書きを作らせることもできます。外の人に頼むのは、AIが持っていない材料と、確かめる手間がほしいときです。
- 書き手が実際にした体験
- 仕事で身についた知識
- 書かれた内容が事実かどうかの確かめ
「体験」と題名に入った募集が多いのは、このためです。
文章のほかにも、動画や画像など、AIを使う副業にはいくつかの方向があります。全体の見取り図は、次の記事にまとめています。
応募の前に、体験の記事を1本書いておく
実績がないうちは、発注者に「この人はどんな文章を書くのか」が伝わりません。応募の前に、見本になる記事を1本書いておくと、応募文にそのリンクを付けられます。テーマは自分の体験、長さは募集に多い1,500字ほどにし、見出しを3〜4つ立てて、見出しごとに書きます。
材料を出すところで、AIに聞き手になってもらう
体験を書こうとしても、いざ画面に向かうと、何を書けばよいかが出てこないことがあります。AIを使うなら、文章を書かせるのではなく、自分に質問をさせて、場面を思い出す手伝いに使います。
指示文の例
私は〔小売店で5年間、接客〕の仕事をしてきました。この経験をもとに、〔はじめてアルバイトをする学生〕に向けて、1,500字ほどの記事を書きます。
記事の材料になる具体的な場面を思い出せるよう、私に質問してください。質問は1回に1つずつ、全部で8つまでにしてください。私が答えてから、次の質問をしてください。記事の文章は書かないでください。
〔 〕は、自分の経験と、読んでほしい人に替えます。答えをメモに並べていくと、どの場面を見出しにするかが見えてきます。「記事の文章は書かないで」と頼むのは、体験の部分を自分の言葉で書くためです。発注者が体験の記事を頼むのは、書き手が実際に見聞きしたことがほしいからで、AIが整えた文章では、その注文に応えられません。
AIを使わない作業
見本の記事でも、仕事の記事でも、次の作業は自分の手でします。
- 体験を書く本文:場面、そのときに考えたこと、結果を、自分の言葉で書きます
- 事実の確かめ:お金、医療、法律などは、間違いが読む人の損につながります。数字や制度は、公的な機関や公式の情報を自分で開いて確かめます
- ほかのサイトの文章を写さない:写した文章を納めると、契約違反や著作権の侵害につながります。数字やデータには出どころを書き、引用した部分は「」で区切ります
本文を自分で書き上げたあとの点検には、道具も使えます。ウェブライダーの文賢は、誤字や表記の揺れ、読みにくい言い回しを、独自のルールに沿って指摘する文章の点検ツールで、14日間の無料体験があります。
書き上げた見本は、応募先に見せられる場所に置きます。
| 置く場所 | 特徴 |
|---|---|
| Googleドキュメント | 無料。公開せずに、応募先にだけ見せられる |
| note | 無料。公開までが早い |
| 自分のブログ | 準備に時間がかかるが、自分の場所として残る |
最初の1本なら、リンクを知っている人だけが読めるGoogleドキュメントで足ります。
AIを使った記事の書き方を、まとまった形で学びたい場合は、オンラインスクールもあります。たとえばデイトラには、AIライティングのコースがあります。コースの中身と料金は、公式サイトに載っています。
1,500字の記事1本で、手元にいくら残るか
報酬は、1文字いくらで決まる「文字単価」か、1本いくらで決まる「記事単価」で示されます。1文字1.5円で2,000字なら3,000円です。公式の相場と、当ブログが2026年10月に数えた募集を並べると、未経験の入口は1文字1円台にあります。
| 出どころ | 文字単価 |
|---|---|
| クラウドワークスの発注相場(記事・Webコンテンツ作成) | 1円〜 |
| ランサーズの参考価格(一般的なテーマ) | 0.5〜2.0円 |
| ランサーズの参考価格(専門性の高いテーマ) | 1.2〜5.0円 |
| 当ブログが数えた、未経験から応募できる募集(508件) | 中央値は1.47円。1円〜2円が7割 |
※公式の相場は、クラウドワークス「発注相場」とランサーズ「仕事の種類・参考価格」による。募集は、クラウドワークスの「スキル不要」「固定報酬制」の記事の募集を、2026年10月のある1日に数えたもので、日によって変わります。中央値は、金額の低い順に並べて、ちょうど半分の位置にくる値です。
同じ募集を1本ずつの金額で見ると、中央値は1記事2,200円(2026年10月、当ブログ調べ)、字数の中央値は1,500字でした。2,000円台の募集が、全体の4割あまりを占めています。
報酬からは、サイトの利用料が引かれます。クラウドワークスで受けた場合に、手元に残る金額は次の表のとおりです。
| 文字単価 | 1,500字 | 2,000字 | 3,000字 |
|---|---|---|---|
| 1.0円 | 1,170円 | 1,560円 | 2,340円 |
| 1.5円 | 1,755円 | 2,340円 | 3,510円 |
| 2.0円 | 2,340円 | 3,120円 | 4,680円 |
| 3.0円 | 3,510円 | 4,680円 | 7,020円 |
※契約金額(税込)から、システム利用料(20%に消費税を加えた22%)を引いた金額。口座に振り込むときは、別に振込手数料がかかります。ランサーズは、契約金額(税込)の83.5%が手取りです。
この手取りを、1本にかかった時間で割ると、1時間あたりの金額が出ます。文字単価1.5円・1,500字(手取り1,755円)の記事で計算すると、かかる時間の差がそのまま金額の差になります。
| 1本にかかる時間 | 1時間あたり |
|---|---|
| 3時間 | 585円 |
| 2時間 | 877円 |
| 1時間30分 | 1,170円 |
※当ブログの計算です。
はじめのうちは、調べたり書き直したりで、1本に3時間かかることもあります。1時間あたりの金額を上げる手は、速く書けるようになることと、単価の高い仕事に移ることの2つです。速さのほうは、書き始める前に見出しと、見出しごとに書くことを決めておくと、書きながら迷う場面が減ります。調べものの少ない体験のテーマを選ぶのも、同じ効き目があります。見本の記事を書くときに、かかった時間を測っておくと、応募する募集の金額が自分にとって割に合うかを判断できます。
報酬が続いて入るようになったら、受け取った金額と引かれた利用料を、月ごとに控えておきます。会社員の場合、副業の所得(売上から経費を引いた金額)が年間20万円を超えると確定申告が要り、20万円以下でも住民税の申告は要ります。仕事のために買った本の代金なども、経費として記録できる場合があります。申告に使う会計ソフトの選び方は、次の記事で整理しています。
仕事を探すクラウドソーシングのサイト
仕事は、発注する人と受ける人をつなぐサイト(クラウドソーシング)で探すのが一般的です。代表的なのが、クラウドワークスとランサーズです。
| 項目 | クラウドワークス | ランサーズ |
|---|---|---|
| 登録 | 無料 | 無料 |
| 引かれる利用料 | 契約金額(税込)の22%(10万円以下の部分) | 契約金額(税込)の16.5% |
| 振り込み | 月2回(月末、15日) | 月2回(月末、15日) |
| AIの扱い | 禁止していない。発注者との取り決めに従う | 使うときの注意点を公式に案内している |
本名や顔は出さずに進められます。クラウドワークスでは、ほかの人に見える名前を、自分で決めた表示名にできます。本人確認の書類は、事務局が確認のためだけに使うと案内されています。
始めると決めたら、登録から最初の1本までを、1週間でひと区切りにします。

クラウドワークスで、登録から最初の入金までを進める手順は、次の記事にまとめています。プロフィールと応募文の例、返事をもらいやすい募集の選び方も載せています。
ランサーズで進める場合の手順は、次の記事にまとめています。提案文の例と、募集の選び方も載せています。
手数料と振り込みの条件を、ほかのサイトも含めてくわしく比べたい人は、次の記事を見てください。
単価の上げ方と、発注者への相談の例
同じ単価の仕事を続けているだけでは、1本あたりの金額は上がりません。続けていくうちに、相談と応募先の切り替えを、段階に合わせて進めます。当ブログが考える順番です。
| 段階 | すること |
|---|---|
| 1〜3本目 | 納期を守り、連絡に早く返す。金額より、評価をもらうことを優先する |
| 同じ発注者に5本ほど納品したら | 単価の相談をする(下の例) |
| 実績が数件たまったら | 文字単価2円以上の募集に応募する。未経験から応募できる募集でも、2割ほど(2026年10月、当ブログ調べ)ありました |
| その先 | 自分の仕事の知識を使える、専門のテーマを選ぶ。見出しの案づくりや、ほかの人の記事の直しも受ける |
単価の相談の例
いつもお世話になっております。〔表示名〕です。
これまで〔5〕本の記事を担当させていただき、ありがとうございます。今後も続けてお受けしたいと考えております。
つきましては、次回のご依頼から、文字単価を〔1.5〕円から〔1.8〕円にしていただくことは可能でしょうか。これまでと同じく、納期を守り、〔見出しの案づくり〕までこちらで行います。
難しい場合は、現在の条件のままでお受けします。お手すきのときに、ご判断をいただけると助かります。
最後の一文のように、断られても今の条件で続けられる形にしておくと、関係をこわさずに済みます。直しの依頼が多くて1本に時間がかかっている場合は、単価の相談より先に、次の契約で、文字数、体裁、納品の形を書き出して確かめておきます。直しが減れば、同じ単価でも1時間あたりの金額は上がります。
自分の文章のどこを直せばよいかは、独学では分かりにくいことがあります。単価の相談の前に、書いた記事を人に見てもらいたいときは、添削つきの講座という手もあります。たとえば株式会社YOSCAの「あなたのライターキャリア講座」では、全8回のカリキュラムに沿って学び、全5回の添削課題を出せます。動画で学ぶセルフコース(一括49,800円・税込)と、オンライン講義を受けるマンツーマンコース(一括185,000円・税込)があり、申込の前に無料相談もできます。講座は必須ではないので、まずは無料でできる範囲から始め、必要を感じたときに検討する形で十分です。
まずは自分の体験を1つ選び、AIに聞き手になってもらいながら場面を書き出して、1,500字の見本を書いてみてください。書き上がったら、登録から最初の入金までの手順を、次の記事で確かめられます。








