撮った写真や描いたイラストを売ろうと、素材サイトの報酬を調べてみる。すると、PIXTAは販売価格の22〜42%、Adobe Stockは33%、写真ACは1ダウンロード3.25円と、率と金額が入り混じっていて、見比べようがありません。
最初に現金を手にするまで、何回ダウンロードされればよいのか。換金するときに何が引かれ、海外のサイトでは何を先に済ませるのか。専属を選ぶかどうかや、AIで作った画像を出せるかどうかも、出す先を選ぶ前に答えがほしいところです。
最初の表では、6つのサイトの報酬を「何回ダウンロードされれば換金できるか」にそろえて並べています。
この比較の前提
- 各社の公式サイトに書かれている報酬と条件をもとに比べています。ダウンロードされやすさは確かめていないため、どのサイトが売れるかは書いていません
- 広告として載せているサービスがあります。順位はつけていません
最初の換金までに要るダウンロード数
1回の報酬は、買い手がどのプランで買ったかで変わります。そこで、各社が公式に示している金額のうち、計算の手がかりになる条件を1つずつ選んで、換金の最低額を割りました。
| サービス(計算の条件) | 売れる素材 | 1回の報酬 | 換金の最低額 | 必要な回数 |
|---|---|---|---|---|
| スナップマート(定額制で売れた・報酬率30%) | スマホで撮った写真など | 88円×30%=26.4円 | 221円 | 9回 |
| Adobe Stock(月10点のプランで買われた) | 写真、イラスト、ベクター、動画 | 0.99ドル | 25ドル | 26回 |
| PIXTA(一般・最初のランク・月11点以上の定額制) | 写真、イラスト、動画、音楽 | 0.27クレジット | 10クレジット | 38回 |
| Shutterstock(1回0.10ドルの場合) | 写真、イラスト、動画 | 0.10ドル | 25ドル | 250回 |
| 写真AC(人物写真) | 写真 | 11円 | 5,000ポイント | 455回 |
| イラストAC | イラスト | 4.36円 | 5,000ポイント | 1,147回 |
| 写真AC(人物以外) | 写真 | 3.25円 | 5,000ポイント | 1,539回 |
報酬と換金の最低額は、2026年10月20日に各社の公式サイトで確認。Adobe Stockは公式ヘルプにある「月10点・月額29.99ドルのプランなら1点0.99ドル」の例、Shutterstockは公式ヘルプに1回0.10ドルの報酬になる場合があると書かれている金額で計算しています。小数点以下は切り上げています。

回数が少ないのは、早く換金できるというだけで、早く稼げるという意味ではありません。写真ACとイラストACは、誰でも無料で素材をダウンロードできるサイトで、1回の報酬が小さいかわりに、回数が集まりやすい作りです。スナップマートの9回も、換金の最低額が振込手数料の220円に1円を足した額だからで、9回で手元に残るのは数円です。
条件を1つ変えるだけで、回数は大きく動きます。スナップマートは報酬率が上限の60%まで上がれば5回、PIXTAは定額制の上限の0.47クレジットなら22回です。Adobe Stockは、月350点以上の大容量プランで買われた場合の最低額(1点0.33ドル)で計算すると76回になります。
報酬の払われ方と、率が上がる条件
6つのうち4つは、買い手が払った金額に決まった率をかける払い方です。写真ACとイラストACは、1ダウンロードごとに決まったポイントが入ります。率や金額が上がる条件も、サイトごとに違います。
| サービス | 報酬の決まり方 | 率や金額が動く条件 |
|---|---|---|
| PIXTA | 単品と月10点以下の定額制は販売価格の22〜42%。月11点以上の定額制は1回0.27〜0.47クレジット(一般クリエイター) | 販売するほどクリエイターランクが上がり、率も上がる |
| Adobe Stock | 写真・ベクター・イラストは33%、動画は35% | 率は一定。1点あたりの額は、買い手のプランで変わる |
| Shutterstock | 15〜40% | 画像と動画のそれぞれに6段階のレベルがあり、ダウンロード数で上がる。毎年1月1日に全員がレベル1に戻る |
| スナップマート | 販売価格の30〜60%。定額制は88円(税込)×報酬率 | 本人確認や出品の実績で集めるメダルの数で、7段階のレベルが決まる |
| 写真AC | 1ダウンロード3.25円、人物写真は11円 | 英語版のサイトからのダウンロードは1回2ポイント |
| イラストAC | 1ダウンロード4.36円 | 英語版のサイトからのダウンロードは1回2ポイント |
2026年10月20日に各社の公式サイトで確認。PIXTAの専属クリエイターの率は、専属・独占の章の表にまとめています。
率で払うサイトでは、同じ素材でも、単品で買われたか、定額のプランで買われたかで、1回の額が大きく違います。スナップマートの場合、単品のMサイズ(長辺1,500px)の販売価格は550円(税込)なので、報酬率30%なら1回165円で、2回売れれば換金の最低額に届きます。定額制で売れたときの26.4円の6倍あまりです。販売価格はサイズごとに決まっていて、出品者が自分で値段を付けることはできません。
PIXTAも、単品で買われれば販売価格の22%以上が入るため、上の表の38回より少ない回数で10クレジットに届くことがあります。どちらの買われ方が多くなるかは買い手しだいで、出品する側からは選べません。
月のダウンロード数を仮に置くと、換金までの月数はこう変わる
回数で払うサイトと率で払うサイトを、同じ形で計算しました。月のダウンロード数は、計算のために置いた仮の数字です。
| 例 | 状況 | 計算 | 最初の換金まで |
|---|---|---|---|
| 例1 | 写真ACに風景の写真を出し、月に300回ダウンロードされる | 300回×3.25円=月975ポイント | 5,000ポイントまで6か月 |
| 例2 | 例1の300回のうち、100回が人物写真だった | 200回×3.25円+100回×11円=月1,750ポイント | 5,000ポイントまで3か月 |
| 例3 | PIXTAで、月11点以上の定額制から月5回ダウンロードされる(一般・最初のランク) | 5回×0.27クレジット=月1.35クレジット | 10クレジットまで8か月 |
人物写真が3分の1混ざるだけで、写真ACの換金までの期間は半分になります。人物を撮れる人は、写っている人の同意書(モデルリリース)を用意できるかどうかで、選べる報酬が変わります。PIXTAには単品の率が42〜58%になる人物専属クリエイターの区分があり、スナップマートは、モデルリリースを取った人物写真の販売価格を、通常より25%高くしています。
換金の手数料と、インボイスの登録の影響
換金の最低額に届いても、その額がそのまま口座に入るわけではありません。手数料と受け取り方も、サイトごとに違います。
| サービス | 換金の最低額 | 手数料 | 受け取り方法 | 支払いまで |
|---|---|---|---|---|
| PIXTA | 10クレジット | 換金の申請1回につき220円 | 銀行振込 | 申請日の翌々月10日 |
| Adobe Stock | 25ドル | 公式サイトで確認 | PayPal、Payoneer、Skrillのいずれか | 最初の販売から45日たつと申請できる |
| Shutterstock | 25ドル以上で自分で設定 | 公式サイトで確認 | Payoneer、PayPal、Skrillのいずれか | 前月分を月初に計算し、15日までに支払い |
| 写真AC・イラストAC | 5,000ポイント | 公式サイトで確認 | 銀行振込 | 審査があり、最長60日程度かかる場合がある |
| スナップマート | 221円 | 引き出し1回につき220円 | 銀行振込 | 当月末締め、翌月末日から2〜3営業日程度 |
2026年10月20日に各社の公式サイトで確認。「公式サイトで確認」は、公式のページで手数料の記載を見つけられなかったものです。
インボイスの登録をしていない人が、最低額ちょうどで換金すると、口座に入る額は下のようになります。
- PIXTA: 2026年10月1日から2028年9月30日までの販売分は、1クレジット107円(税込)です。10クレジットで1,070円、そこから振込手数料220円を引くと850円になります。素材の販売で得たクレジットは源泉徴収の対象なので、所得税の分も差し引かれます。インボイスの登録をしている人は、1クレジット100円に消費税10円が加わります
- 写真AC・イラストAC: 2026年10月1日から2029年9月30日までは、1ポイント0.9524円(税込)で換金されます。5,000ポイントなら4,762円です。利用規約では、換金を申請してから3か月以上たつと、報酬は時効で消えるとされています
- スナップマート: 引き出しのたびに220円かかるため、221円で申請すると、残るのは1円です。何回分かためてから申請する前提で考えます
素材の報酬も、ほかの副業の収入と合わせて、1年分を記録しておきます。帳簿と申告に使うソフトの年額は、次の記事で比べています。
Adobe StockとShutterstockの報酬の受け取り方
海外の2社は、報酬がドルで計算され、銀行振込ではなく、PayPal・Payoneer・Skrillのどれかで受け取ります。素材を出す前に、どれかのアカウントを作れるかを確かめておくと、売れてから慌てずに済みます。
- Adobe Stock: 日本でPayPalの送金を受け取るには、PayPalのプレミアムアカウントが必要と案内されています。有効な税務フォームを出していないと、最大30%が源泉徴収されます。コントリビューター(素材を提供する人)向けのヘルプは、日本語で読めます
- Shutterstock: 支払いの最低額は、アカウント設定の「Payout information」で自分で決め、届かなかった月の分は翌月に繰り越されます。承認された税務フォームがないと、支払いを受けられません。投稿者向けのヘルプは英語が中心です
税務フォームには、氏名や住所などの個人の情報を入れます。どちらのサイトも、受け取りの手続きの中で提出を求められるので、登録の時点で済ませておくほうが、最初の支払いを待たずに済みます。
PIXTAの専属と、ほかのサイトへの出品
同じ写真を複数のサイトに出すかどうかは、最初に決めておきたい点です。PIXTAには、ほかのサイトでの販売を制限するかわりに、率を上げる区分と設定があります。
| PIXTAの区分・設定 | 単品と月10点以下の定額制 | 月11点以上の定額制(1回) |
|---|---|---|
| 一般クリエイター | 22〜42% | 0.27〜0.47クレジット |
| 専属クリエイター | 30〜53% | 0.35〜0.65クレジット |
| 人物専属クリエイター | 42〜58% | 0.40〜0.85クレジット |
| 独占販売の設定をした作品(一般のみ) | 30〜48% | 0.30〜0.55クレジット |
2026年10月20日にPIXTAの公式ガイドで確認。定額制のクレジットは、各素材の最初のダウンロードに付き、再ダウンロードには付きません。
制限の中身は、PIXTAの公式ガイドで確かめてから選びます。いくつかのサイトに出してみてから決めたい人は、一般クリエイターのまま始めておくと、あとで出す先を足すときに動きやすくなります。
写真ACとイラストACは、同じ作品をほかの素材サイトに出すことを、利用規約で認めています。一方で、アップロードした作品の著作権は運営会社に譲渡すると、利用規約に書かれています。イラストACのよくある質問では、自分で描いたイラストでLINEスタンプやグッズを作って売るのは自由とされていますが、著作権を譲った作品をほかのサイトに出してよいかは、相手のサイトの規約しだいです。両方の規約を読んでから出します。
AI生成画像を受け付けるサイト・受け付けないサイト
AIで作った画像の扱いは、受け付けるサイト、受け付けないサイト、公式のページでは決まりを見つけられなかったサイトに分かれます。
| サービス | AIで作った画像の扱い |
|---|---|
| PIXTA | 2026年4月20日に新しい受け付けを終え、販売中のものも5月22日に販売を止めた。ノイズの除去や写り込みの消去のように、画素を新しく作らない加工は認められている |
| Adobe Stock | 受け付けている。投稿するときに、チェックボックス「生成 AI ツールで作成したコンテンツ」に印を付ける |
| Shutterstock | 投稿者からのAI生成コンテンツは受け付けていない |
| 写真AC・イラストAC | 登録ページとよくある質問では、投稿の決まりを見つけられなかった(公式サイトで確認)。イラストACの検索には「AI生成ツール使用素材を除く」の絞り込みがある |
| スナップマート | よくある質問では見つけられなかった(公式サイトで確認) |
AIで作った画像を売りたい人は、出す先がかなり絞られます。販売先ごとの決まりと権利の注意点は、次の記事で説明しています。
英語の規約と出品の控えは、AIに下書きさせる
出す先を2つ以上にすると、規約を読み比べる手間と、どの作品をどこに出したかを覚えておく手間が増えます。どちらも、文章を扱うAI(ChatGPTなど)に下書きをさせられる作業です。
Shutterstockのヘルプのように英語で書かれた決まりは、ページの文章を貼って、知りたい項目だけを日本語で抜き出させます。訳だけを読むと、条件の細かい言い回しを取り違えることがあるので、原文の文もいっしょに出させます。
指示文の例(英語の規約から条件を抜き出す)
次の文章は、素材販売サイトの投稿者向けの規約です。下の項目について書かれている部分を探し、表にしてください。列は「項目」「原文の文」「日本語の意味」の3つにしてください。書かれていない項目は「記載なし」とし、推測で埋めないでください。
項目:〔ほかのサイトで同じ作品を売ってよいか/AIで作った素材の扱い/支払いの最低額と受け取り方法/税務フォーム/作品を取り下げるときの決まり〕
規約:〔ここに、規約やヘルプのページの文章を貼る〕
表ができたら、「記載なし」以外の行は、原文の文を元のページで探し、前後の文も読んで確かめます。AIの日本語は、どこを読めばよいかの目印として使い、どのサイトに出すかは、この確かめのあとで決めます。
複数のサイトに出し始めたら、出品の控えの表も作っておきます。表の形だけをAIに考えさせ、中身は自分で入れていきます。
指示文の例(出品の控えの表を作る)
写真やイラストの素材を、複数の販売サイトに出しています。どの作品をどこに出したかを管理する表の、列の見出しと、各列に入れる内容の決まりを作ってください。列には、作品の番号、作った日、出したサイト、出した日、審査の結果、専属・独占の設定、人が写っているか(同意書の有無)、AIで加工したか(加工の内容)を入れてください。
出しているサイト:〔PIXTA、Adobe Stock〕
この表があると、専属や独占の設定を変えたくなったときや、サイトの規約が変わったときに、当てはまる作品をすぐに探せます。
AIに任せない作業もあります。税務フォームや受け取りの口座の入力は、個人の情報を含むので、AIに貼らずに各サイトの画面で自分で入れます。写っている人の同意を取ったか、写り込んだ看板やロゴに問題がないかも、AIの答えではなく、各サイトのガイドに照らして自分で判断します。
最初の1つを決めたら、出す前の手順は別の記事で確かめる
日本語の画面で、銀行振込で受け取りたい人には、PIXTAが当てはまります。登録は無料で、登録のあとに身分証明書を出し、入門講座と入門テストを済ませると、写真とイラストをアップロードできるようになります。素材は1点ずつ審査され、作品の出来栄えではなく、販売用の素材として適切かどうかを見ると案内されています。
PIXTAの公式サイトは、次のリンクから見られます。クリエイターの登録の流れは、公式サイトの「写真販売ガイド」に案内があります。
PIXTAに登録してから最初の1枚を出すまでの押し方とタグの付け方は、次の記事で順に書いています。
海外の買い手にも売りたい人はAdobe StockとShutterstock、無料のサイトでまず使ってもらう経験を積みたい人は写真ACとイラストAC、スマホの写真から始めたい人はスナップマートが候補になります。スナップマートは、アプリの中で出品から振込の申請まで進められます。
どんな写真が素材として売られているのか、顔を出さずに何を撮ればよいのかは、次の記事で数えて調べています。
最初は出す先を1つにしぼり、換金まで続けてから、2つ目のサイトを足すかを考えても遅くはありません。足すときは、専属・独占の表と出品の控えの表を見直し、同じ作品を出してよいかを確かめてから決めます。





